今回ばかりは運が無かった・・・

今月4日から渋谷シアターコクーンにて、舞台「桜の園」が公開予定でした。原作はアントン・チェーホフ、脚本・演出はケラリーノ・サンドロヴィッチさん、主演は大竹しのぶさん、その他にも豪華キャストが出演する舞台です。チケットは前売りでもなかなか手に入らないほどの人気ぶりです。

その舞台にて、出演する女優の宮沢りえさんが役の中でマジックをするシーンがあり、その指導・監修をなんと、私ダーク和秋が担当させていただいていました。そして3月中に私の指導はすべて終えており、あとは公演の成功を待つのみでした。

この度は全公演が中止となってしまいましたが、政府から緊急事態宣言も出されましたし、仕方のないことだったと思います。

宮沢さんはマジックのレッスンにあたってとても熱心に質問するなど、一生懸命取り組んでいました。女優さんといっても決してスーパーマンではなく、最初はかなり苦戦しておりましたが、数週間で見違えるほど上達し、私自身もその姿に感動しました。

また、俳優の藤田秀世さんにも、少しですがカードテクニックを指導しました。藤田さんは、もし公演が行われたら、観客の誰一人気付かないであろう見事なフォールス・シャッフルを習得されました。公演が中止になってしまった以上、プライベートでカードゲームなどするときに活用していただければと思います(冗談です)。

稽古中には、大竹しのぶさんのリクエストで、私がキャスト・スタッフの皆さんにマジックを披露する一幕もありました。和気あいあいとした稽古場で、その頃にはまさかすべての公演が中止になるとは思ってもいませんでした。

私も通し稽古を拝見させていただきましたが、この幻の公演に関わった者の一人として、この舞台が本当に質の高い、素晴らしいものであったことだけは証言しておきたいと思います。

さて、チェーホフの「桜の園」ですが、これだけ有名であるにもかかわらず、私は不勉強で今回のお話を頂くまで読んだことがありませんでした。そこでケラリーノさんの台本と並行して原作も読んでみました。幸いAmazonのKindleだと無料です。

原作でもマジックのシーンは登場します。ただいま外出自粛要請期間中で、自宅で過ごす方も多いと思いますので、まだ読んだことがない方はこの機会に読んでみてはいかがでしょうか?

それでは皆様もどうか気を付けてお過ごしください。

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