おすすめ即席マジック紹介の第2弾です。まずは以下の動画をご覧ください。
(なぜか動画の左右が反転してしまいました。鏡のように練習できて便利(?)ということで今回はこのままにしておきますが、原因の究明は今後の課題とします。)
今回はスカーニーの紙玉です。予め適当な紙を丸めて紙玉を作っておかなくてはいけないので、完全な即席マジックではありませんが、ジョン・スカーニーの傑作と言われるトリックです。
道具の作り方
私がおすすめする紙玉のサイズは、コピー用紙のような一般的な厚さの紙の場合、A4の4分割、つまり1個あたりA6サイズの用紙です。子供等どうしても手が小さい場合はもう少し小さい紙でもかまいませんが、普通はこの大きさで大丈夫だと思います。
紙玉を作るコツは、一度丸めて紙をクシャクシャにしてからもう一度丸めて、できるだけ固く小さく、きれいな球形になるようにすることです。丸め方がふわっとしていて不規則な形だと難しくなると思います。
参考文献
もともとはStas of Magicという洋書に紹介されたマジックで、日本でも近い手順が様々な本で紹介されていますが、上の画像の松田道弘著「クロースアップマジック事典」(東京堂出版)を参考文献として挙げておきます。
備考
道具の安さに反して非常に格調高い手順構成で、セリフを言いながら普通に演じると約2分です。即席マジックとしてはやや長いので、むしろ本格マジックと言った方が良いかもしれません。余談になりますが、マジックは2分という時間はひとつのキーであり、私の記憶が正しければフランスの優れたクロースアップマジシャンである、デビッド・ストーンも1ネタ2分と言っていたと思います。
おそらくこれは多くのマジシャンが感じていることだと思いますが、一発芸や瞬間芸的なマジックではない、ある程度の起・承・結がある手順の場合、2分という時間は、マジックの不思議さと構成によって無理なく見せられる時間だと思います。これより長く見せる場合は、飽きられないための工夫が必要だったり、環境が整っている必要があったりします。
さて、スカーニーの紙玉ですが、シンプルだけど簡単ではないマジックです。昔、「マジシャンの実力を見るにはカップ&ボールをやらせればよい」と言われていたのに近いものを感じます。これを普通の人にきちんと演じてマジックとして成立させることができたら、少なくとも初心者ではないと思います。
実は私は高校生の頃、紙玉のマジックをペットトリック(お気に入りのマジックのこと)にしていました。というのも、私の通っていた高校は校則が厳しく、トランプすら持っていってはいけなかったのです。だから制服のポケットにこの紙玉をいくつか入れておいて、同級生にマジックを見せたりしていました。スカーニーの手順だけでなく、テンカウントや、ハンピンチェン、チンカチンク等もこの紙玉で演じることで、意外にバリエーション豊富なマジックを演じることができるのです。
そんな思い出深い紙玉のマジックですが、皆さんも道具が安っぽいなどと言わずに(笑)研究していただけたら嬉しく思います。