容器は透明が万能とは限らない

ペンケースやポーチ、ファイルや箱など、日用品やマジック道具などを入れておく容器は様々ありますが、私は常々、透明な容器が多すぎるのではないかと考えています。

透明な容器が多い理由

透明な容器は中身が一目でわかるメリットの他に、安く作れる面もあると思います。

同じポーチをレザーやキャンバス布で作るよりも、ビニールやで作った方が材料が安く、加工も楽なのだと思います。

同様に木箱や紙の貼箱よりも、プラスチックの方が安くなるでしょう。

また、容器単体で見ると清潔感があって洒落て見えることもあります。

不透明の魅力

私も用途によっては透明な容器を使うこともありますが、もっと不透明な容器が評価されても良いと思います。

まず、透明な容器は、よほど中に入れるものに気を使わなければ格好良く見えません。

統一感なく雑多なものを入れると途端に格好悪くなります。

基本的に、視覚情報は少なければ少ないほど美しく、多ければ多いほど汚くなります。

透明な容器は空っぽの状態では美しくても、中身が入ると情報量が多くなりすぎて、却って汚く見えてしまうのです。

不透明な容器は情報を覆い隠すという重要な機能を持っているのです。

また、紫外線などの光による劣化も防げるため、長期的な保管でも不透明な方が有利です。

とはいえ、美醜の感覚や利便性の優先順位は人それぞれですから好みで決めて良いと思いますが、マジックの道具を入れるケースとなると話は変わってきます。

例えば観客の目に触れる箱やケースは、ほとんどの場合、不透明の方が良いです。

ケースを出しただけで、これからどんなマジックをやるのかが見えてしまうのは損です。

ブラックボックスという言葉がありますが、中身が見えない箱だからこそ、マジシャンがそこから何を出すのか、興味がわくのです。

それでは、観客の目に触れない持ち運び用のケースなら透明でも良いかというと、それも油断できません。

カードやロープならまだしも、人に見せてはいけない仕掛けを透明な容器に入れてしまっている方がいます。

いつ誰に見られるかわからないのですから、ぜひ不透明な容器にしまってほしいと思います。

今後、何か容器や入れ物、ケースを選ぶときには、マジックに関係なくとも、本当に透明で良いのか、不透明な方が良いのか、考えていただくきっかけになれば幸いです。

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