時には捨てることも上達のため

エコロジーやサステナビリティの時代とはいえ、ときには道具を捨てなくてはいけないこともあります。それが上達のためでもあります。

私は毎月かなり多くのレッスンをしていますが、ときどき道具を新しくするように言うこともあります。

また、独学でマジックをしている方の場合、いつの間にか古い道具を使ってしまっていることもあるのです。

いつか捨てなくてはいけない道具たち…

マジック道具の中でも消耗品と言われるものはいつかは捨てなくてはいけません。それは…

  • シルク
  • ロープ
  • フラワー類
  • そして…トランプ

これらはまず第一に見た目が劣化してしまいます。

私はマジシャンの中でもシルク等を丁寧に扱う方ですが、それでも徐々に簾(す)になってきたら捨てています。こればかりは仕方ありません。

ロープも毛玉が目立ってきたり、色が悪くなってきたら捨てなくてはいけません。ちなみにロープは色に関わらず、アクリルよりもレーヨンの方が長持ちします。

私はあまり使いませんが、羽毛や紙でできたフラワー類も、丁寧に扱えば相当長持ちしますが、それでも花は美しさが命ですから、見た目が悪くなってきたら捨てなくてはいけません。

そして残念ながら最も罪深いのは(アメリカの大統領ではなく)トランプです。古くなって劣化したトランプは見た目が悪いだけでなく、そのトランプを使って練習することで下手になります。

というのも、古いトランプと新しいトランプでは、紙のコシ(固さや弾力)や表面の摩擦などが全然違うので、古いトランプを使うことで感覚が狂い、上達の妨げになってしまうのです。

手元にある新しいトランプと比べてみて、明らかに使用感が変わってきたら換え時ということになります。

見た目に汚い道具を使うのは、マジックを見ている人を軽んじていることにもなります。見てくれる人を大切に思うからこそ、きれいな道具を使うのです。

一生使える道具!

しかし、中には一生使える道具もあります。それは…

  • コイン
  • カップ&ボールの金属カップ
  • ボール&ベース
  • 四つ玉
  • そして…本とDVD

コインマジックでは、よく外国の大きなコインを使いますが、それらは基本的に一生使えます。手入れは古い銀貨であれば乾拭き、比較的最近のコインであれば金属磨き(ピカールなど)で磨くことでとてもきれいになります。また、頻繁にコインを出して練習することが最大の手入れになります。

カップ&ボールの金属カップや、コインボックスなどの金属製の道具も同様で、日々練習し、時々磨くことで永久に使うことができます。

ボール&ベースなどの木製品も古くなってもあまり汚くならないのが利点です。むしろアンティークのような味わいが出てくる場合もあります。

ステージマジックでは四つ玉も相当に長持ちします。ラバーの四つ玉は劣化が避けられませんが、シリコン製はかなり耐久性が高く、木製も長持ちします。

そして何といっても本やDVDです。これらの情報はたとえ古いものであっても資料的な価値が落ちないものです。むしろ上達すればするほど、古い情報の価値は高まっていきます。最近の話ですが、FISM受賞者の野島伸幸さんもかなり古い洋書を丹念に読み解いており、それでいて演技は斬新です。まさに温故知新ということなのでしょう。

ぜひこれらの道具は大切に使い、ときには手入れをしていただけたらと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です