プロマジシャンになりたいなら

プロマジシャンになるにはどうしたら良いか?というのは昔からある疑問ですが、これは絶対的な答えがあるわけではなく、人によっても違うので非常に難しい問題です。私ならどう考えるかということを少し紹介してみます。

もしあなたが子供、または学生なら

あなたがまだ子供または学生(10代くらい)の場合、もしプロマジシャンになりたいなら、まずは周囲の人に伝えてみることをお勧めします。特に両親や保護者、マジックを習っているならその先生などです。

例えば両親は大反対するかもしれませんし、またはあまり深く考えずに応援してくれるかもしれません。それでも気持ちを伝えておくことは大切だと私は思います。

少なくとも、心の中だけでマジシャンになりたいと思っていて、皆が就職活動をする頃にマジシャンを目指すのは明らかな手遅れになってしまいます。

まず、必ずプロマジシャンになれる方法というものはなく、誰もがマジシャンになれるかどうかはわからない、ということを理解しておかなくてはいけません。

その上で、コンテストに出たり、コンベンションに参加したりして、できるだけマジックの世界にいる人に会ってみるのも大切です。

とにかくできるだけたくさんのマジックを覚えて上達に努めること、そして、マジックが上手くて、本当にあなたのことを考えてくれる信用できる人に出会うことができたら、一番良いと思います。

とはいえ、すぐに弟子入りするのではなく、適正な金額でマジックを習うのが良いと思います。その先生にもプロマジシャンになりたいと宣言すれば、先生もそのつもりで教えるでしょう。

プロマジシャンになりたい若者が覚えるべきマジックとは、①コンテストで通用するマジック、②非常に厳しい現場で通用するマジック、③いざとなった時に身を救う雑多なマジックです。

コンテストでは非常な緊張感の中、命がけの連中に混じって戦うので、特別な経験になります。一度ではなく、何度も繰り返し出場することで、実力がつき、周りの人も応援してくれるようになります。志を高く持ってほしいと思います。

もちろん現場で通用するマジックも必要です。ほとんどのコンテストでは演技時間が5~10分というルールになっていますが、プロマジシャンなら最低30分のショーができないと話にならないので、コンテストのマジックがいくら素晴らしくても、プラス20~25分の演目が必要になります。

私なら、必ず、ステージマジックとクロースアップマジックの両方を覚えるようにアドバイスします。その方が対応力が上がり、結果として仕事がしやすくなると思うからです。

その他に雑多なマジックもたくさん覚えるべきだと思います。絶対に自分が演じることはないだろう、というマジックも覚えておくと、意外なところで役に立つものです。少なくともプロになりたいなら、食わず嫌いはせずに、なんでも練習しておくとよいと思います。

もしあなたが大人だったら

もしあなたが社会人または就職活動をしなくてはいけない時期であったら、まずは仕事をしながら、ものすごく上手いアマチュアになることをお勧めします。

大人になったらプロマジシャンを目指せない、と言いたいわけではなく、むしろ夢はいくらでもかなえられる、と言いたいです。

もしあなたが念願かなってプロマジシャンになったら、何をするのが夢でしょうか?マジックバー出演、パーティー出演、コンベンションのゲスト、ワンマンショー、レクチャーをする、レクチャーDVDを出す、などなど、いろいろあるかと思います。

しかし、それらはどれもアマチュアでもできることです。ただし、ものすごく上手ければ、ですが。でも、プロマジシャンになるのだって、結局ものすごく上手くなるしかないのですから、同じことです。

それよりも、あなた自身のモチベーションが落ちてしまうことの方が恐いことです。例えば、マジックバーでマジックを見せることが夢だったとしても、あなたはマジックバーに100回出演しても飽きない自信があるでしょうか?では1000回では?

当然ながらバーというのは良いお客様ばかりではありません。バーのオーナーの意向もありますので、自分の好きなマジックばかりできるわけでもありません。

最初の内は楽しくても、だんだんと嫌になったり、あるいは週1とか月1くらいのペースでの出演が丁度良かったな、と思うかもしれません。

あなたのオリジナル作品を10作載せたレクチャーDVDを発売したとして、来月もう1枚出せるでしょうか?毎月出さなくてはいけないとしたら?むしろたった1枚の渾身の作品集を発表できたら、それで満足かもしれません。

私は、マジックというジャンルは、よほどのブラック企業でもない限り、練習して上達が可能なジャンルだと思います。あなた自身の情熱がもっとも大切で、プロになることが幸せにつながるとは限りません。情熱を燃やし続け、積極的な活動を続ければ、それほど遠くないうちに夢は叶うと思います。

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