先日、マジックショップ・マジオンにて、のじまのぶゆきさんがワンオペでおこなうマジックショー、「妖精の棲む部屋」を見てきました。
のじまさんの店舗兼自宅には何度かお邪魔したことがありますが、シアター仕様に大変お洒落に改装されていました。

このショーものじまさんの一番の強みであるオリジナリティが遺憾なく発揮されており、非常に珍しいマジックばかりでした。
最大4名限定というのもあり、1人1人がマジックに関わる割合も大きくなってきます。
観客は見ているだけ、というタイプのショーと、観客が手伝ったり、手や頭を実際に動かすタイプのショーとでは、どちらが良いのか、という問題は昔からあります。
演じる側からすると、観客があまり関与しない方が不測の事態が起きづらく、無難に進められる上、観客にあまり多くの作業を強いたりするのは気が引ける、などの理由から、つい見せるだけのショーに流れがちです(本来「SHOW」とは「見せる」ことですからそれでも良いのですが)。
しかし、観客からすると、わざわざマジックショーを見に来ているくらいですから、多少の作業やお手伝いでマジックに関与することは厭わず、むしろ歓迎の可能性もあります。
また、マジシャン側の考えとして、いろいろと手伝うよりも客席から見ているだけの方が楽だろうという思いやりは、実際のところどうなのでしょうか?
意外と見ているだけというのも集中力が必要で、疲れるものです。多少なりとも手や頭を動かした方が気分転換になり、かえって疲れにくい可能性もあります。
とはいえマジシャンの態度次第なところもあり、マジックに関わる以上、マジシャン自身が丁寧で優しく、紳士であることが大切です。
その点、このショーでは距離が近いこともあってのじまさんの人柄の良さが生きています。少なくともこのショーを見て意地悪や攻撃的な気持ちになったりする人はいないだろうと思います。
このショーには「妖精」というテーマが設定されていますが、これも面白いと思いました。妖精は小説でいうファンタジー(幻想小説)のジャンルです。
私は常々、マジックはミステリー(推理小説)や謎解きとは似て非なると考えていました。ミステリーや謎解きは、謎を解くことを目的としており、最後には解答解説も付属しています。
マジックも謎を提示しますが、その謎が解かれることのみを目的としてしまってはまずいのです。
だから私はマジックはミステリーというよりもホラー(怪奇小説)であるべきなのではないか、と考えていました。ホラーであれば謎や怪奇そのものを楽しむことができるからです。
のじまさんは私とは異なり、ファンタジーを選択したわけですが、ある種の必然のような気がしています。つまり、ファンタジーであれ、ホラーであれ、マジックはいずれ謎解きありきのミステリーから脱却しなくてはいけないのです。
構成、ストーリーなど、本当によく考えられていました。しかものじまさんにしか語れない内容というのも良いです。まだわずかにチケットがあるそうなので興味のある方はぜひこちらから。