ステージや広い会場でマジックをするときにネックになるのがマイクだと思います。マイクを使うか否か、どんなマイクを使うかなど、私の考えをまとめてみました。
1.マイクなしで問題ないならマイクは使わない
会場のサイズや、観客の人数の関係で、マイクがなくても問題なく声が届くようなら私はマイクを使いたくないです。スペインのホアン・タマリッツも著書「ファイブ・ポインツ」の中で、できるだけマイクは使わないように言っています(こちらは名著なのでぜひ読んでみてください→ファイブ・ポインツ)。
ただし、この点は好みによることも覚えておいてください。マイクを通すと多少なりとも機械的な声になります。タマリッツもまさにこの点を嫌ったわけですが、逆にマイクを通した声の方が「イベント感」がある、と考えて、好む人もいます。
ただ、私はマイクトラブル等も含めてマイクが好きでないので、可能ならノーマイクで演技しています。また、主催者の方の要望があればそちらに従いましょう。
2.ピンマイクが次点
会場の環境によってマイクを使わざるを得ないとしたら、ピンマイクが一番良いと思います。私はマイクが苦手なので最もノーマイクに近い感覚で演技ができるからです。
以前はピンマイクは高価だと言われていましたが、現在ではかなり価格が下がっており、むしろハンドマイク+マイクスタンドの方が高価になってきています。
注意する点としては、スイッチのオンオフ、電池の残量などです。必ず事前に確認し、自分でもスイッチの操作をしておくと良いと思います。
3.ハンドマイク+マイクスタンド
ハンドマイクであっても、スタンドがあれば一応問題はありません。しかし、スタンドの調子が悪かったり、壊れていたりすると大変なので、あらかじめ確認する必要はあります。
マイクスタンドはかなり多様な形状、仕様があります。高さ調節の仕方、マイクの固定方法などが製品によって異なり、いきなり本番だと必ず戸惑うことになるので、予め操作して慣れておかなくてはいけません。
また、自分の手や道具とマイクスタンドが干渉しないよう、注意して扱う必要もあります。すべての手順でマイクスタンドがある場合にどのようにふるまうべきか考えておかなくてはいけません。
ハンドマイクをピンマイクのような感覚で使えるようにするマイクホルダーを使うマジシャンもいます。工夫された様々な形状のマイクホルダーがありますが、どうしてもスマートには見えないため、どちらかといえばコメディーマジシャン向けだと思います。
4.ハンドマイクのみ
めったにありませんが、ハンドマイクのみの場合には、BGMを流しながらポイントだけしゃべるようにするしかありません。ワイヤレスの場合は、胸ポケットに入れたりできますが、有線の場合は毎回テーブルなどに置くことになります。ピンマイクの普及を祈りましょう。
おわりに
ノーマイクやピンマイクでマジックが演じやすいのはすべてのマジシャン共通だと思いますが、個人的にはスタンドマイクを使いこなしているマジシャンは格好良いし、上手いなと感じます。なにより経験が感じられます。
とはいえ、今後ますますピンマイクが普及すると思われますので、スタンドに悩まされる頻度は減っていくのかもしれません。