メンタルマジックの悩み

私は最近もメンタルマジックの試行錯誤をしているのですが、様々な問題があってなかなか解決しません。私の悩みの一端を少しだけ書いてみます。

メンタルマジックの悩み1 デジタルの波

私はメンタルマジックはとてもアナログの世界だと思っています。もちろん昨今ではデジタルなメンタルマジックもたくさんあります。しかし、メンタルというからには主要なテーマは人の心のはずです。人の心はこれ以上ないアナログの世界です。

例えばメンタルマジックには昔からテレパシーの実験があります。しかし今は小さなスマートフォンひとつで、地球の裏側にいる人に声や映像、メッセージを届けることができます。大昔から考えたらとてつもない魔法のようですが、いまでは不思議ではありません。

メンタルマジックにデジタルやコンピューターが入り込むと、どうしても魅力が落ちるように私には感じられるのです。

しかし、メンタルマジックでよく使われるアナログなペンやメモ帳、本や雑誌などが徐々に日常から遠ざかっています。社会のデジタル化はメンタルマジックと相反しているようですが、私はそれでも、工夫次第でアナログの良さは伝えられると考えています。

メンタルマジックの悩み2 観客への要求

プロマジシャンなら誰でも感じていると思いますが、メンタルマジックは観客への要求レベルが高いのが地味に厳しいところです。

例えば広義のメンタルマジックのひとつとして、「観客が覚えたカードを当てる」というマジックがあります。これはマジシャンの難しさだけでなく、お客様も意外に大変です。

まず、1枚カードを選んだ時に、それがうっかりマジシャンに見えてしまったら台無しです。また、他の観客がうっかり声に出して「ハートの5か」などといってしまうことが意外とよくあります。そして、その後もカードを忘れないように覚えておくのも多かれ少なかれ負担です。

つまり、マジシャンがヘマをしないだけでなく、お客様もヘマをしないことが求められてしまうのがメンタルマジックの悩みなのです。その点、ボールが出ました、コインが消えました、というマジックがいかに気楽なマジックかがわかります。

メンタルマジックの悩み3 説明の多さ

メンタルマジックは比較的静かな環境で演じるのに向いていると思います。というのも、メンタルマジックはどうしても説明が多くなりがちであり、声がしっかり聞こえていないと不思議さやコンセプトが伝わりにくくなってしまうからです。

その点、「メンタル」ならぬ「ビジュアル」なマジックは説明が少なくとも見た目でかなり伝わるため、雑然とした環境にも強いと感じています。

そうはいっても、私は今メンタルマジックに多くの魅力と可能性を感じているから研究しているのも確かです。もちろん、メンタルマジックには多くの強みもあります。それは今後ブログに書くかもしれませんが、それ以上に私自身の活動によってそれを表現していきたいと思っています。

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