現在公開中の舞台「桜の園」にて、劇中のマジックを私ダーク和秋が指導、監修させていただきました。
この公演はシス・カンパニー主催で2020年に公演予定だったものがコロナ禍で中止となってしまった舞台のリベンジです。前回も私がマジック監修をしていましたが、指導もすべて終了した本番直前に無念の中止となってしまっていただけに、今回は無事に初日を迎えることができて本当に良かったです。
桜の園はロシアのチェーホフが約120年前に書いた戯曲で、日本でも数多く上演され、有名な作品です。しかし、原作にもマジックが登場するということはあまり知られていないように思います。
チェーホフは桜の園を喜劇としており、観客を笑わせたり、マジックで楽しませることで長い上演を飽きさせないように考えたのかもしれません。今回も休憩込みで3時間というそれなりに長い公演です。
脚本・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチさんとは2回目のお仕事ですが、変わらずお元気そうでした。
桜の園といえば、国も時代も違うということで、かなり大胆なアレンジをされることもありますが、ケラリーノさんによる桜の園はかなり原作に忠実だと思います。しかし、微調整を重ねることで現代の日本人が見ても面白い作品となっています。
私が何より緊張したのは最初に稽古場に伺ったときです。劇中の候補となるマジックをいくつか持参してその場で演じたのですが、ケラリーノさんはもちろん、主演の天海祐希さんをはじめ、錚々たる役者の皆様が見てくださいました。
幸いとても暖かい現場で、マジックそのものも盛り上がりましたし、いくつかのマジックが採用となりました。
公演全体からするとマジックのシーンはほんのわずかではありますが、キャストの方も一生懸命練習したシーンですので、楽しんで見ていただけると幸いです。
公開前日には最終リハーサルがあり、実際の会場で本番同様の衣装、舞台セットで行われました。光栄にも私もご招待いただき、客席から拝見していました(すぐ後ろにケラリーノさんもいらっしゃり、恐縮でした)。
もう最初の第1幕からして、世界に引き込まれます。言葉で説明するよりも、目で見た方がわかりやすいと思うので、シス・カンパニー様の公式Xを引用します。衣装やセットの雰囲気が伝わると思います。
12月8日から公開中で、すでにチケットもなかなか手に入らないそうです。今月、来月と無事に公演が行われることをお祈りしています。