シルクマジックの代表的な作品

今回はシルクマジックの代表的な作品を挙げるとともに、各シルクマジックへの思いを語っていきたいと思います。

シルクの出現と消失

下のようなパッケージでも売られていますが、マジックショップなどでバラで買うこともできます。何も知らずに初めてこれを買った人は「こんな子供だましは通用するはずがない」と思い込んでしまうものです。現象は大変シンプルで、20~30cm角のシルクが出たり消えたりするというものです。

このマジックは値段も安く、手軽なマジックだと思われがちですが、とてつもない傑作トリックです。また、決して簡単でもありません。ポーランドのサルバノというマジシャンはこのマジックを徹底的に研究し、得意のレパートリーとしていました。十分な練習をすれば、本当に奇跡のように不思議なマジックです。私のおすすめは、通常のハンカチを併用する方法です。ぜひやりこんで演じてみてください。

カメレオン・シルク

こちらも下のパッケージ商品がありますが、マジックショップのばら売りもあります。現象は1枚の小さなシルクを手の中に入れると、色が変わって出てくる、というものです。

これはダーク一門に縁のあるマジックでもあります(笑)。このマジックもまた、大変な傑作トリックです。さきほどのシルクの出現と消失と負けず劣らずですが、プロマジシャンの使用率はこちらが上だと思います。難易度もこちらの方が高いです。

20世紀シルク

2枚の緑色のハンカチを結び、見える場所に置いておきます。もう1枚の赤いハンカチを何らかの方法で消すと、2枚の緑色のハンカチの間に結ばれて出てくる、というのが基本的な現象です。このマジックはマジシャンによって様々なやり方があり、特定のマジックというよりは、この類のマジックの総称といったイメージです。

マジックショップなどで、このマジックができる道具一式を買うこともできますが、知識があれば単品の道具から工夫して自分なりの20世紀シルクを構成することもできます。このマジックの大きな特徴はその不可能性です。ハンカチが1枚消えるだけでも十分不思議なのですが、ありえない場所から出現することで、この上ない結末を飾ることができます。

シンパセティック・シルク

6枚のハンカチの内、3枚はそのまま、他の3枚は結んで連結させた状態で見える場所に置いておきます。マジシャンが魔法をかけると結ばれていた方はほどけ、結ばれていなかった方が結ばれてしまうというマジックです。

これは通常、商品としては販売されておらず、普通は誰かに指導してもらうか、本や映像で独学するかして習得するマジックです。このマジックは実は大変難しいマジックで、演じ方がまずいと、観ている側は何をしたいのかさっぱりわからず、まったく面白くないマジックになってしまいます。セリフなしでBGMのみで演じるマジシャンもいますが、私はセリフ付きで演じる方がわかりやすいのでおすすめです。

シルク・プロダクション

シルク・プロダクションとは、シルクを数多く出現させるマジックの総称です。構成としては最初は1枚ずつ出現させていき、徐々にペースを上げたり、変化をつけたりしながら、最終的にはより大きなシルクや、旗などを出現させてエンディングとするのが一般的です。

出現方法は様々で、何も持っていない空の手から出現させる理想的な方法や、空であることを見せた箱や筒、袋などから出すものもあります。道具から出現させる場合、どうしてもその道具が怪しいと思われてしまうのが欠点です。

また、当然ながら多数のシルクを用意しなければならないので、それなりに費用がかかります。しかし、シルクマジックの中でも最も派手で、一般的に喜ばれるタイプのマジックでもあります。

通常、ある程度まとまった時間のマジックショーを構成するとき、もっとも悩むのは最初に演じるマジックと最後に演じるマジックです。軽めのシルク・プロダクションなら、オープニングに最適ですし、ボリュームのあるプロダクションならショー全体の締めを任せることができます。そのような意味でも貴重なマジックです。

おわりに

シルクマジックの特徴として、その多くがセリフ付きでも、音楽のみでも演じられるという点があります。それだけ視覚的にわかりやすいということで、これは大きなメリットです。ただし以前の記事に書いたように、優秀な解説書が手に入りにくくなってしまったことや、DVDなどもかなり少ないことから、やや独学は難しいマジックになってしまったと思います。しかし、その気になれば情報は手に入るものです。この記事がシルクマジックに取り組むきっかけになったり、もう一度見直すモチベーションになれれば幸いです。

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