今回は中級編ということで、これらができれば演じられるカードマジックがかなり広がると思われるようなものをピックアップしていきたいと思います。(ちなみに今のところ上級編は予定していません。上級と呼べるようなテクニックは難しいだけでなく、かなり好みが分かれてしまいそうだからです。)
今回も「図解 カードマジック大事典」のページ数とともに紹介します。入門編と初級編をマスターしてからの学習がおすすめです。
- ブラウィ・アディション P.25~26
- バックル・カウント P.85~87
- エルムズレイ・カウント別法 P.89
- ビドル・ムーブ P.92~93
- フォース P.103~105
- マルチプル・リフト P.109~110
各技法のコツなど
● ブラウィ・アディションは、数あるアディションの中でも最も使い勝手が良く、これができなければ始まりません。最初は不自然に感じるかもしれませんが、スムーズに行えば十分通用するテクニックです。この技法に限らず、上手なマジシャンは、自然なことを自然にやるだけでなく、不自然なことも自然に見せてしまうものです。
●バックル・カウントも数多くのマジックに使われており、これ単体で練習する価値のあるものです。特にバックル・カウントに用いられるバックルというテクニックが大変重要で、それほど難しいわけではないのでぜひ習得をおすすめします。
●エルムズレイ・カウントは通常の方法ではなく、別法をおすすめします。というのも現在のマジシャン達の主流はこの別法の方だからです。
●ビドル・ムーブは単純なようで意外に練習を必要とします。効果的なマジックによく使われているので、十分に練習し、本番で躓かないようにしましょう。
●フォースは初級編に2種類含めました。中級編として他の方法も徐々に覚えていくと、より一層不思議さが高まると思います。ただし、フォースが上手くなるとそれ自体をマジックとして見せてしまう人が多いのですが、できればフォースが成功したというアドバンテージを別の現象に生かしてほしいと、個人的には思います。
●マルチプル・リフトこそ、現代カードマジックテクニックのキングで、大変多くのマジックに使われており、避けて通ることができない技法です。しかし、マルチプル・リフトはマジシャンによって様々なやり方があり、これはマルチプル・リフト自体が未完成の技法であることを示しています。もし、究極の方法が発明されたら、すべてのマジシャンがその方法を使うことでしょう。この本に解説されているやり方も良いのですが、実を言うと私自身はこの本に載っていない方法を使っています。それだけマルチプル・リフトは奥が深い技法なので、できれば他の本なども参考にして、自分に合ったやり方を見つけるのが良いでしょう。たくさんのマルチプル・リフトを覚えるのが目的ではなく、1つか2つ、得意なものを使っていくのが大切です。
最後に
今回の中級編までに含めなかった技法がすべて上級技法だというわけではありません。その他の技法はどちらかというと、あるマジックを覚えたいと思ったときに、その都度習得すれば十分かなという私の個人的判断です。
この「カードマジックおすすめ技法」シリーズでは、すっかり「カードマジック大事典」のお世話になってしまいましたが、私は著者の宮中さんとは全く面識がありません。宮中さんに「勝手なことを書くな」と怒られるか、売り上げに少しでも貢献することで感謝されるかわかりませんが、この辺で筆をおきたいと思います。