テーブルクロスも何もないテーブルの上にトランプを1枚置いたとき、カード自体が薄いので、それを取り上げるのは少し大変ですよね。そこで柔らかいマットをあらかじめ敷いておけば、簡単にカードなどを取り上げることができます。
クロースアップマットは様々なサイズのものがマジックショップなどで売っていますし、自分で作ることもできます。しかし、今回はマットについての第1回ということで、そもそもマットは必要か、というお話をします。
クロースアップマットは必要か
クロースアップマットは、クロースアップマジシャンの必需品のようでありながら、実は結構使えないことや使わないほうが良い場合も多く存在します。
使えない場合というのは、立食パーティーなど、そもそもテーブルがない場合や、あったとしても食器やその他いろいろなもので散らかっていて、マットを敷くスペースがない場合です。通常のクロースアップマットは30cm×40cm位ありますから、むしろテーブルにそれだけの使っていないスペースがあることの方が少ない気がしてきます。
アマチュアマジシャンにとって、もっと厄介なのはマットを“使わないほうが良い”場合です。「ちょっとマジック見せてよ」などと言われたとき、私はマットを使わないほうがよいと思っています。というのも、やはりマットというのはくるくる巻いた状態で携行するにしても、だいぶかさばります。マジックが大好きな人であれば、トランプ一組を持ち歩いているだけならまだわかるのですが、マットはさすがに常識から逸脱しています(笑)。
逆に言うと、ある種の発表会やクロースアップショーのような場合は、マットやテーブルクロスなどの備品があったほうが、より雰囲気が出て、満足度が上がることは間違いありません。
マットを使わない選択
というわけで、「俺(私)はマットを使わないぞ!」という選択肢も一理あると言えます。むしろ普段マットを使っての練習しかしていない場合、マットが使えない状況の時に上手くいかない危険すらあります。
そこで、マットを使わないという方、また、マットは持っているけどマット無しにも対応できるようになりたいという方へのコツをいくつかご紹介したいと思います。
コツその1 テーブルはできるだけ手前側を使う
マットなしで、トランプ1枚を取り上げる場合、最も楽なのはテーブルの端まで手前にスーッと滑らせてから持ち上げることです。ということはテーブルのど真ん中に置いてしまうと、持ち上げるのにたくさん滑らせなければならず、時間がかかってしまいます。そこで、テーブルの手前の端近く、またはちょっとはみ出すくらいのところに置けば、ほぼノータイムで持ち上げることができます。
コツその2 カードケースを有効利用する
トランプが入っていたケースを机の上に置けば、小さなマットの役割を果たしてくれます。やってみればわかりますが、テーブルに直接置くよりも、1枚でも複数枚でも簡単に取り上げることができます。
コツその3 そもそもテーブルを使わないで済むマジックを習得する
当たり前のことですが、これが一番確実で、プロマジシャンもこのような観点で自分のレパートリーを選ぶことはよくあります。マットを使わない以上、マジックの選択肢がいくらか狭まってしまうのは仕方ないことでもあります。
いかがだったでしょうか?マットを使わない(買わない!)という選択肢も十分あるところで、でもやっぱり使ってみたいという方のために、第2回はマットの選び方を書こうかなと思っています。少しでも参考になれば幸いです。