ステージからクロースアップまで幅広く応用できるボトムスの加工方法です。マジシャンはもちろん、マジックをやらない方にも参考になるかもしれませんので、ぜひ読んでみてください。
今回ご紹介する方法はどれも新品のズボンで行うのは勇気がいるかもしれませんので、最初は履き古したもので試してみてください。
1.内ポケットを外す
紳士用のスラックスやコットンパンツなどの場合、右ポケットが二重になっていることが多いです。もしかしたら世の中にはこのポケットを器用に使いこなしている方もいらっしゃるかもしれませんが、私は無理でした。
ただ単にポケットに入れたつもりが内ポケットの方に入ってしまっていたり、二重ポケットを利用して分けて収納するつもりが、だんだんわけがわからなくなったり、特にテーブルホッピングのときなどは混乱を極めました。最悪の場合、無くなったと思ったら内ポケットに入っていたりしました。
私のような方は、思い切って下の写真のようなリッパーを使って丁寧に内側ポケットをはぎ取ることをおすすめします。物を分類したいときはポケット自体を分けるべきで、右ポケットの内側と外側という分類は諦めた方が良さそうです。
ただし、この二重ポケットを利用したマジックがないわけではありません。特に、2枚のコインをガチャガチャ音をさせずにポケットに入れておきたいときなどは、このポケットインポケットが活躍する可能性もあります。一度取ってしまったポケットをもう一度つけるのはかなり面倒です。
そこで折衷案として、内側ポケットの口をしつけ糸などで閉じてしまうアイディアもあります。これだけでもわずらわしさは解消されますし、万が一、内側ポケットを復活させたい場合は糸を取ってしまえば元通りです。
2.バックポケットのボタンを外す
ズボンの後ろのポケットにはボタンがついていることもあります。特にスラックス系はほとんどついていると思います。皆さんはこのボタンをいちいち付けたり外したりするのが面倒だと思ったことはないでしょうか?
そもそも本当にお洒落な方は、シルエットが崩れるのを嫌って、ズボンのポケットには一切ものを入れないのがルールだそうですが、マジシャンにとってはそれは難しいことです。
ボタンを外したままにしておけば良いかというと、ボタン自体が引っかかってしまうこともあるため、ボタンそのものを糸を切って、もぎ取ってしまうのが最も合理的です。
ほとんど見えない部分ですし、万が一見えたとしても普通はボタンが外れていると思うだけで、まさかボタン自体が存在しないとは思いません。それでも気になるという方は、ボタンホール側に取ったボタンを縫い付けておけば見た目の問題もなくなります。ただし、個人的にはそこまでしなくてもまず見えることはないかなと思っています(特にジャケットなどの上着を着てしまえば)。
3.ポケットの深さを調整する
紳士用のズボンは基本的にポケットが深めにできています。これで丁度良い場合もあれば、場合によっては深すぎることもあります。そんなときは裏からポケットの底を縫って浅くすることができます。
この場合も、ポケットの深さを確定させてしまいたいときはミシンで綺麗に縫えば良いですし、仮止めしたいときは手縫いで軽く留めたり、いくつかの安全ピンで留めてしまう簡単な方法もあります。
以上、パンツポケットの利便性を向上させるアイディア3選でした。