書きたいことがたくさんあって迷ってしまうのですが、まずは基本用語を解説することにしました。
マジックはその規模によって、クロースアップマジック、パーラーマジック、ステージマジックに分類されます。
クロースアップマジック
最も小さいマジックがクロースアップで、主に数人に見せるくらいのものをそう呼びます。日本では一般の方により分かりやすくするために、テーブルマジックという言葉が使われることもあります。
なんといってもカード(トランプ)が大活躍する分野で、おそらくクロースアップ全体の半分以上がカードマジックといってもよいのではないでしょうか。
パーラーマジック
クロースアップとステージの中間の規模となるのが、パーラーです。日本ではサロンマジックと呼ばれることもあります。
イメージとしては、学校の教室くらいの広さで、数十人くらいの人に見せるマジックです。意外と需要のある分野で、プロアマ問わずいかにもよくありそうなシチュエーションです。
カードマジックもできますが、その占める割合はクロースアップよりは小さくなり、比較的バラエティに富んだ素材が使われます。
ステージマジック
最も大きいのがステージマジックで、イメージとしては学校の体育館の舞台で演じるような規模のものです。お客様の人数も百人以上といったところです。
しかし、実際のところパーラーとの区別は非常にあいまいで、はっきりとした境界はありません。演目も、ステージとパーラーで共通のものが多くあります。ただし、人が宙に浮いたり、助手を半分に切ったりといったイリュージョンマジックは、間違いなくステージマジックでしょう。
イリュージョンは大変豪華ですが、当然費用も掛かります。私はイリュージョンをしないのですが、もしイリュージョニスト(イリュージョンを得意とするマジシャン)にマジックを依頼する場合は相応の出演料がかかりますので、十分な予算を用意しましょう(笑)。
余談
実は私は昔からひねくれ者のせいか、ステージマジシャンの演じるクロースアップと、クロースアップマジシャンが演じるステージがたまらなく好きです。
ステージマジシャンが演じるクロースアップは、扱うものが小さいにもかかわらず、演技のスケールが大きく、見ていて楽しいと感じます。テクニック以前に雰囲気がどっしりと構えていて、なんとなく懐が深い感じがするのです。
クロースアップマジシャンの演じるステージの魅力はなんといっても緻密さです。本来得意分野ではないステージで演じるために創意工夫し、技法や構成にはクロースアップマジシャンならではの緻密さを発揮したマジックには、惚れ惚れとします。
いかがだったでしょうか。以上が用語解説第1回目となります。用語解説は今後もときどきやっていくつもりですが、次回は「これからマジックを始めるためには?」といった内容の記事にする予定です。ぜひまたご一読ください。