マジックウォンドのデザインの理由

マジシャンのイラストなどでもよく登場し、マジシャンの象徴的なアイテムであるマジックウォンドですが、典型的なのは中央が黒で両端が白いデザインです。でもこんな棒はマジック以外で見たことがありません。なぜこんなデザインなのか考えてみたいと思います。

衣装との相性

マジックウォンドがいつからこのデザインになったのか、私にはわかりませんが、おそらくマジシャンが燕尾服やシルクハットを身に付けるようになったことと無関係ではないと思います。

というのも非常に古い時代のヨーロッパのマジシャンは、マジシャンというより魔術師のようなイメージでローブのようなものを着ていたと言われています。そうした衣装を想像したとき、現在の白黒のウォンドはなんとなく爽やかすぎるというか、何か合わないような気がします。もっと木の質感がむき出しの、ヨレヨレとした茶色いウォンドの方が似合うと思います。

その点、燕尾服やシルクハットといった正装は、ぱきっとした白黒で構成されています。現在の私たちのイメージにあるウォンドは、西洋の正装に合うようにデザインされたのではないかと思います。

視覚的な理由

燕尾服にしてもシルクハットにしても、基本は黒です。それならばウォンドも端から端まで真っ黒でも良いような気がします。実際、昔のマジシャンの挿絵などでは真っ黒なウォンドを持っているのも見たことがあります。

しかし、黒は収縮色で遠目には目立たず、存在感が足りないとも言えます。そこで遠くからでもはっきり見えるよう、両端を白くしたのではないでしょうか?白は最も明るい色で、直径1~2cmの棒でも先端が白ければかなり遠くからでもはっきり見え、さらにモノトーンの正装の邪魔をしません。

ミニサイズの杖

マジックウォンドは元々は杖(ステッキ)なので、杖のデザインを踏襲している可能性もあります。昔の杖は通常、木製で上端に持ち手が付いており、下端には石突とよばれる金属などの補強がしてあります。つまり、木製で、両端に何かしらの異素材の部品が付いたイメージが、ウォンドにも残っているのかもしれません。金属や象牙など、素材によっては高級感も演出できます。

このようにかなり必然的にマジックウォンドのデザインは決まっていったのではないかと私は思うのですが、ここでひとつ疑問が生まれます。現代のマジシャンは必ずしも燕尾服やタキシードを着ていません。衣装がモノトーンでないなら、ウォンドも白黒である必要はありません。

そもそもなぜマジシャンは正装をしているのでしょうか?次回はマジシャンの衣装について考えます。

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