尾崎豊さんから学んだ3つのこと

もうすぐ歌手の尾崎豊さんの命日のせいか、ときどきニュースなどで名前を目にします。名前をニュース検索すると没後30年以上というのに最近でも多くのニュース記事があることがわかり、その影響力の大きさに驚きます。

私は10代の頃から尾崎さんのファンでしたが、自分が尾崎さんの亡くなった26歳を過ぎると、曲を聴くことも減っていきました。それでも今でもファンであることには変わりません。

尾崎さんの曲といえば、「I LOVE YOU」や「僕が僕であるために」のようなフォーク調の曲がフィーチャーされることが多いですが、私は「FIRE」や「Scrambling Rock’n’Roll」のような明るく勢いのある曲が好きです。

よく「今の人には尾崎豊は受け入れられない」といった論調を耳にします。実際に「バイクを盗むのは良くない」とか「窓ガラスを割ったなら弁償しろ」などの声や「こんな人とは結婚したくない」「父親として失格だ」などという的外れな意見さえあります。

私は一人のミュージシャンに対して常識を求めすぎだと思います。もちろん、学校では品行方正、仕事も真面目にこなし、良き夫、良き父親である人は素晴らしいと思いますし、ぜひ皆でそういう人を目指すべきだとも思います。しかし、そんな人に尾崎さんのような歌が作れ、歌えるのでしょうか?あんなライブができるのでしょうか?

政治家ならまだしも、ただの芸能人や芸人、アーティストに対して、あまりに常識や人格を求める風潮は恐ろしくなります。だからこそ、私自身が類稀な才能を発揮し、常識を逸脱した破天荒な生き方をしてみせて、こんな空気を打破したいのですが、私には到底無理でした。

しかし、私も尾崎さんから学んだことはたくさんあります。そこで今回改めて言語化し、3点挙げてみます。

一つ目は多様な生き方に対する寛容さです。もちろん尾崎さんが犯罪を犯してしまたことは事実ですが、同時にもしこの世に尾崎さんの歌が存在しなかったら、と考えるとそれは大変寂しく思います。

人間は誰でも理想通りの人生を歩めるとは限らず、どこかで脱線したり、挫折したりすることもあるはずです。だから一度でも脱線した人を許さずに切り捨てるのではなく、人それぞれ色々な人生があることを認めて許容する、寛容な気持ちが大切だと思います。

二つ目は素直な気持ちを言葉にすることです。尾崎さんの歌詞は曲によってもだいぶ印象が違いますが、基本的にはストレートで分かりやすい表現が多いと思います。それでもありきたりな表現にならないのは、固定観念を一旦脇に置いておいて、気持ちを素直に言葉にしているからではないかと思います。手紙やスピーチなど、ここぞというときに人の心を打つ原稿を書くには、それがとても大切だと思います。

三つ目は情熱です。何と言っても、尾崎さんは曲を作ることと、それをライブなどで披露することに対して、大変な情熱を傾けていました。もちろん、ときには上手くいかないことや、行き詰まることも多々あると思います。しかし、プレッシャーの中でも負けずにステージに立っていた尾崎さんの姿を思い出せば、もう一度、自分がやりたかったことに情熱を注げるのではないでしょうか。

尾崎豊さんは今でも多くのファンがいて、度々話題に上がることからも、今の人に受け入れられない、ということは決してないと思います。もともと万人に受け入れられる音楽などないのですから、多様な音楽、多様な芸術があってよいのではないかと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です