手品というより手芸の話~アクリルロープの接着

今回は一般的なカラーひもでよくある、アクリル繊維のスピンドル紐を接着する方法をご紹介します。

現在手芸用として売られているスピンドル紐という種類のロープは、ほとんどがレーヨンかアクリルの化学繊維でできています。中でも白はたいていレーヨン、カラー紐はほとんどアクリルです。レーヨンは木工ボンドなどの接着剤がなじみやすく、加工しやすいのですが、アクリルロープは通常の接着剤がなじみにくく、接着できないことはないのですが、少し難儀です。

質感も含めて私はレーヨンの方が好きなのですが、色を使いたいとなるとアクリルしか選択肢がありません。そんなにアクリルロープを継ぎたいのなら結べばよいじゃないか、と思われるかもしれませんが、どう結んでも結び玉がそれなりに大きいコブになってしまい、用途によっては邪魔です。

木工ボンドがダメなら潔く瞬間接着剤を使えば良いのですが、何も考えずに瞬間接着剤を使うと、継いだところがガジガジに固くなってそれはそれで引っ掛かりやすくなって気になります。

そこで試行錯誤した結果、簡単で細いひもでも強固に付き、ガジガジしない接着方法を見つけました。写真ではわかりにくいので手書きで図解します。今回は太さ約5mmのアクリルカラーひもを使っています。

まずはロープの端に1センチくらい細く瞬間接着剤を付けます(図の赤い部分)。端は切りっぱなしです。瞬間接着剤はゼリー状のタイプもありますが、通常の液状タイプの方が良く染みこみますし乾きも早いので良いと思います。

そうしたら、上から継ぎたいロープの端を1cmくらい重ねて強く圧着します。完全に乾く前に少し形を整えたら完了です。

こうすることで細い紐でもある程度、接着面積が取れるので丈夫になると思いますし、表面に接着剤が出ないのでガジガジしません。さらに端が切りっぱなしであるにもかかわらず、あまりほつれてきません。これはスピンドル紐の編み方の特性によるものです。

ただし魔法のように継ぎ目がまったくわからない、とはなりません。近くで見れば普通にわかりますし、触ってもわかります。

さあ、この方法をマジックの道具作りに生かしても良いですし、手芸にも子供用のあやとりを作るのにも使えます。何かのときの知恵袋になれば幸いです。

※瞬間接着剤を使うので、テーブルを汚さない工夫と、手につかないように注意してください。また、使用中や乾燥中の気化した成分を吸わないようご注意ください。

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