マジックや芸能はもちろん、日常でもときどき耳にすることがある、「オーラ」という言葉。芸能人ならずとも興味がありますし、オーラのある人になりたいと思う方も多いと思います。
なぜ私がオーラについて語るのか
マジシャンのくせに大してオーラもない(笑)私が、なぜオーラについて語るのか?その理由は単純で、オーラがないからこそ、オーラについて考え、悩み、少しはわかったことがあるので、それをお伝えしたいと思ったからです。特にオーラ関係(?)で悩んでいる人がこの記事を読んで、1人でもヒントになったら良いなと思っています。
オーラについて
まずは一応オーラとは何かを辞書で調べてみると、
オーラ 人や物が発する、視覚ではとらえられない一種の雰囲気。
三省堂 スーパー大辞林3.0
とあり、これが大体の人の共通認識なのではないでしょうか?私もかつて世界的なメンタル・マジシャンのマックス・メイヴィン氏を生で拝見したとき、大変な存在感や、オーラを感じたものです。皆さんも有名人や、憧れの人に初めて会ったときなど、同様の経験をしたことがあるのではないでしょうか?
オーラは存在しない
しかし、現在の私はオーラというものは存在しないと考えています。正確に言うとオーラというのはたくさんの要素からなる複合的なもので、オーラというもの、それ自体は存在しない、ということです。
実際、先ほどのマックス・メイヴィン氏の場合もそうで、もし彼の見た目がごく普通のおじさんで、私自身も彼についての知識がなかったら、それほどオーラを感じていなかったと思います。マックス氏が独特の風貌で、落ち着いて自身のある話し方、長年第一人者として活躍してきた姿勢や身のこなしなどがミックスされた上に、私自身も彼がいかに素晴らしいマジシャンで、マジック界に多大な貢献をしてきたかを知っており、尊敬と憧れの念を持っていたことで、オーラが増幅されて見えていたのだと思います。
つまり、オーラというものは実際には細かな要素に分解でき、その各要素を高める努力はできるものの、強大なオーラそのものを直接手に入れる方法は無いという風に私は考えているのです。
オーラを気にするのはやめよう!そしてオーラを人に気にさせるのもやめよう!
それでは具体的にオーラを高めるにはどうしたら良いか。まずはオーラというもの自体を忘れましょう。そもそも最初から存在すらしないオーラなどというものを気にするだけ時間の無駄です。また、無駄なことに気を使うことで却って人間が小さく見え、むしろオーラがなくなります(笑)。 私自身もこのような文章を書く以上、仮に誰かから「オーラがない」などと言われても、1ミリも気にしません。
むしろ、純粋にマジックの技術を磨くとか、身だしなみを整えるとか、普段から姿勢を正すとかの方が効果があるはずです。
また、自分自身がオーラというものを気にしないだけでなく、他人にも気にさせないようにしましょう。当たり前ですが、人に「オーラがない」などと言ってはいけません。私は一応マジックの指導をする立場もあるのですが、アドバイスはできるだけ具体的な方が良く、ネガティブかつ抽象的な意見は建設的ではありません。
また、「オーラがありますね。」などと言って褒めるのは一見問題なさそうですが、オーラは前述のように、それ自体を努力で高めることができませんので、誉め言葉として全く意味がないどころか、むしろその人を慢心させるだけの余計な言葉にもなりかねません。よってオーラなどというものは自分も他人も気にしないのが一番なのです。また、幸運にも素晴らしいオーラを発する人に出会ったときも、「自分はなんてオーラがないんだろう」などと悩んだりせず、できるだけその要素を分析し、自分の糧にできるようにした方が良いのだと思います。
次回の記事で
今回の記事では、オーラなんてないし、そんなもので悩む必要もない、と結論付けましたが、次回はオーラなどないという前提のもと、どうしたら雰囲気をより良くできるだろうか、ということを考えていきます。