なかなかコロナが収束しない中、趣味としてクロースアップマジック、特にカードマジックを始める方もいらっしゃいます。クロースアップマジックは家で地道な練習ができる点で、ステイホームと相性が良いのかもしれません。今のうちに上手くなってコロナが収束したら思い切り披露したいものですね。
今回は初心者や中級者の方に、できれば買う前に注意してほしいな、というトランプを5つご紹介します。もちろん用途によって絶対に買ってはいけないトランプなど存在しないのですが、マジックの上達のためには最初からできるだけ良いトランプを使った方が良いのも事実です。
また、「こちらの方がおすすめ」という代替案も併せてご紹介しますので、今度新しいトランプを購入するときの参考にしていただければ幸いです。
買ってはいけないトランプ第5位 Bee
BeeというシリーズのトランプはBicycleシリーズ以上に質の高いトランプで、海外では様々なカジノでも使われています。それがなぜダメなのかというと、裏面に白縁がないからです。これによってマジックの幅が狭まってしまいます。
ただし、白縁のメリット、デメリットを把握した中級者以上の方があえてBeeを選ぶ分には何も問題がないため、5位としました。
代替案
やはりマジックの定番はBicycleです。迷ったら色は赤がおすすめです。
買ってはいけないトランプ第4位 プラスチック製トランプ
トランプはプラスチック製よりも紙製の方が良い、ということはマジシャンの間では常識ですが、マジックをしていない人の中には今でも根強く紙よりもプラスチック派が存在します。プラスチックの方が丈夫で長持ちしそう、ということなのですが、多くのマジックや技法が紙製を前提としている以上、わざわざプラスチック製を選ぶ理由はありません。
また、仮にプラスチック製であってもトランプは半永久的に使えるものではないので、どうせ捨てるならケースもカードも全て紙製のトランプの方が環境に良いのではないかと思います。
代替案
プラスチック製のトランプの多くはブリッジサイズと言って幅が少し狭くなっています。この点は子供はもちろん、大人であっても日本人はアメリカ人に比べて手が小さいのでブリッジサイズの利点です。そこで同じBicycleでも定番のポーカーサイズでなく、ブリッジサイズも選択肢のひとつです。
買ってはいけないトランプ第3位 100円ショップのトランプ
100円ショップにも数多くのトランプがありますが、基本的にはやめた方が良いです。実は昨年くらいにダイソーのCIRCUSというトランプが話題になりました。ケースもオール紙製でマジック向きなんじゃないかと言われましたが、私自身は少し触ってみてカードが長方形でなく、わずかに台形になってしまっていることに気が付きました。おそらく裁断が少し歪んでいるのだと思います。
もちろん、普通にババ抜きとかをするなら気になりませんが、マジックの上達の上では感覚が狂うため、おすすめはできません。ただしこういうものはロットが違えば改善されている可能性もあるため、全部が全部台形になっているわけではないかもしれませんが、その他の点においてもBicycleに及ばないため、やはりマジシャン向きではありません。
代替案
100円ショップで例外的におすすめなのはジャンボトランプです。大人数に見せたいとか、その他様々な都合で大きいトランプを使いたいときは意外と便利で、プロマジシャンも結構採用しています。
もちろんBicycleのジャンボサイズがベストなのですが、値段が高いのと、入手難易度、使用頻度の関係から100円のジャンボトランプも十分選択肢に入ってきます。ただし、紙質が悪く、サイズも大きいので普段使いはもちろんできません。
また、トランプとして使うのではなく、会場の装飾に使うとかならば、100円のトランプは優秀です。特に100円で2組セットのものならかなりコストカットできます。
買ってはいけないトランプ第2位 キャラクタートランプ
もしあなたがディズニーや何かのキャラクターのファンなら、キャラクターのトランプを買ってしまったことがあるかもしれません。しかし、ミッキーやポケモンが描かれたトランプはマジックに使ってはいけません。
たしかに、ディズニーのファンは多いですし、普通のトランプよりも相手の興味をひける可能性もあります。それでも使ってはいけないのです。
マジックを演じ始めたら、そのときだけはプロもアマチュアも関係なく、あなた自身が主役になるべきです。そこに外部のキャラクターは要りません。他人が作り出したキャラクターの人気を借用する必要なんてないのです。
代替案
決しておすすめではないのですが、どうしても可愛いトランプが良いという方はこれくらいなら許容範囲なのではないでしょうか?
買ってはいけないトランプ第1位 格好つけ過ぎたBicycle
これは初心者の方はもちろん、上級者の方でもうっかりすると選んでしまう可能性があるということで、あえて1位に選ばせていただきました。
これらはちょっと対象購入者層がよくわからないなと感じます。子供向けではないですし、かといって大人にとってこれほど恥ずかしいトランプもありません。Bicycleですから品質には問題ありませんので、うっかり買ってしまった方はそっと練習用に回しましょう。
代替案
どうしてもモノトーンでシックなトランプが良いという方は普通のBicycleのブラックなら許容範囲だと思います。
まとめ
トランプはBicycleが基準と言っても過言ではありません。例えばBicycleより硬いとか、Bicycleより薄いとか、すべるとか、安いとか。だからまずはBicycleを試してみることをおすすめします。
また、マニアックな話として、同じBicycleでも微妙なバージョン違いがあったりして、使用感も異なったりします。しかし、実際にはほとんどの方にとって気にするレベルではないと思います。
私自身もこんなブログを書いておいて言うのもなんですが、マジシャンはお客様の前でトランプにこだわりを見せるのはやめましょう。魔法使いなら使うトランプの種類なんて関係ないはずです。ときにはあえて100円のトランプを使ったり、その場で借りたトランプで奇跡を起こすのも効果的です。