前回の続きで、マジックに使うトランプについてです。
ポーカーサイズ
通常のトランプのサイズにはポーカーサイズとブリッジサイズがあり、ブリッジサイズは、ポーカーサイズより5ミリほど幅が狭くなっています。わずかですがポーカーサイズの方が大きく、よりはっきり見えます(カードのサイズに伴って印刷自体も少し大きくなっています)。
手が小さい人はブリッジサイズの方が良いという意見もありますが、それはかなりのテクニシャンのこだわりで、通常はポーカーサイズで問題ないと思います。そもそも初心者はたった5ミリの違いでシビアになるテクニックは使いません。逆に言えば、上達の過程でブリッジサイズに転向するのはアリだと思います。
赤裏
次は“なぜ赤なのか”です。バイシクルは青裏もポピュラーなのですが、裏向きにして持ったとき、赤の方がより目立って明るく見えるというのが大きいと思います。
またプロマジシャンはよくカードにサインをしますが、赤裏に黒などのペンで書くとはっきり見えるのに対し、青いカードには何色で書いてもあまりよく見えないというのもあります。(ただし、初心者の場合はカードを折る、破る、サインするなどの激しく消耗するマジックは避けてしまってよいと思います。)
まとめ
既に愛用しているカードがある方にはあまり参考にならない記事だったかもしれませんが、もしバイシクルを使ったことがない人はぜひ一度触ってみてほしいと思います。
また、赤裏が良い理由というのは、今まであまり語られてこなかったような気がしますが、どうお感じになったでしょうか?この記事を読んで、バイシクルの赤を使ってみたいと思っていただけたら幸いです。
余談
もしかしたら私の周りだけかもしれませんが、プロマジシャンはバイシクルの赤の使用率が高く、アマチュアの方は驚くほどバイシクルの赤を使いません。一方、アマチュアでもプロの指導を受けている方はバイシクルの赤を使っていることがあります。(私の教室でも基本的にはバイシクルの赤を使っていただいています。)
あくまで私の偏見なのですが、アマチュアマジシャンがデック(=一組のトランプ)を取り出したとき、バイシクルの赤、しかもポーカーサイズだとつい「おっ!」と思ってしまいます(笑)。それだけでなにか「プロ的なもの」を感じます。
また、「皆が同じトランプを使うのは無個性だ。使うデックで個性を出したい。」という意見も否定はしません。しかし、あまりに個性的なトランプは使う人を選びますので、その人に似合っていることが大切です。
私はどちらかというと、カード自体には注目されたくなく、ごく普通のトランプで不思議なことをしていると思わせたいと考えているので、個性的なトランプはほとんど使いません。私の指導を受けている方にも、カードが注目されるのではなく、その人自身に個性を発揮していただきたいとも思っています。