おまじないを恥ずかしがらないために

以前投稿した二重魔法についての記事と関連して、今回は魔法やおまじないをかける動作そのものについてです。

マジックでは魔法やおまじないをかけるという場面が少なからず存在します。それもそのはずで、マジックとは「魔法や超能力の再現」ですから当然です。

しかし、ここでジレンマが生じます。通常、ほとんどの人は魔法や超能力の存在を信じていませんので、マジシャンがおまじないをかけても、それが本当に魔法だとは思ってもらえないことが多いのです。そこで演者であるマジシャン自身がおまじないをかけるのを恥ずかしがってしまうのは、もっとも良くないパターンです。

プロマジシャンの場合を考えると、いくつかの解決方法があります。ひとつは、本当に魔法だと思わせるくらいの物凄いマジックを演じることです。他にも、信じてもらえないことを逆手に取り、わざと大げさに魔法をかけて笑いに変えるといった方法もあります。

プロや、ハイレベルなアマチュアは、マジック自体のレベルとそれを表現・演出する能力が高いので、魔法の動作(マジック用語ではマジカル・ジェスチャーという)はそつなくこなしている場合が多いのですが、まだそれほどの実力に達していない人は、マジカル・ジェスチャーに意外と悩むものです。

マジカル・オブジェクトを用意する

アマチュア・マジシャンで、魔法をかけるのが恥ずかしい、また、おまじないの動作がいい加減になってしまっている(自分の演技を映像で撮ってみるとよくわかります)という方に提案したいのは、マジカル・ジェスチャーのために、対象物、言わばマジカル・オブジェクトを用意することです。

自分自身の生身の声や動作でおまじないをかけるのが恥ずかしいという気持ちはよくわかります。そこで何か道具を使って魔法をかければかなり恥ずかしさは軽減されますし、見た目にも説得力が生まれ、何よりマジカル・ジェスチャーが中途半端になるのを防げます。また、場合によってはミスディレクションとして活用できる場合もあります。

マジカル・オブジェクトとして代表的なのはマジック・ウォンドです。ハリー・ポッターのおかげで日本においても知名度は上がりましたし、誰でもマジックのイメージとして浮かびやすいものです。

上の写真はあくまで一例で、様々な材質、デザインのものがありますので、好みのものを選んでください。

魔法の粉、マジックパウダーも面白く、よく使われていると思います。

例えば上のようなビンに実際に適当な量の塩などを入れておいて、魔法をふりかけます。もちろん本当に塩をばらまくと大変ですので、塩が出る穴は何かでふさいでおきます。

他にも音が出るものも効果的です。下の写真のような押し笛、スクイーカーなどと呼ばれるおもちゃ(正確にはおもちゃに使われる材料)を使うと、音の効果で大変ユーモラスなマジックになります。

他にもマジカル・ジェスチャーに使えるオブジェクトはたくさんあると思いますので、工夫してみてください。これをきっかけに皆さんの魔法の動作をもう一度考えるきっかけになれば嬉しく思います。

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