クロースアップマット、最終回は加工と自作(?)です。
加工① サイズ変更
もっとも基本的で簡単な加工はサイズ変更です。自分の使いやすいサイズにカットするだけです。一応いくつかのコツをご紹介します。
必要なもの:金属製定規、ボールペン、カッター、カッターマット
まず、新品のクロースアップマットは、もったいないのでやめておきましょう(笑)。できれば使い古しのマットで試してみるのがおすすめです。
カットしてしまったら後戻りはできないので、必要サイズはよく検討しておきましょう。また、市販のマットのほとんどは四隅が丸く切ってありますので、デザイン的におかしくならないようにカットラインを決めましょう。例えばカット後のマットの4つの角の内、1つの角だけ丸くなっていたらなんとなくバランスが悪く感じますよね。下の写真は元々の丸角を2つ生かした例です。お客様側に丸い角が向くようにして使うイメージです。
サイズが決まったら、いきなり切る前に、下書きをしておきます。マットの裏から、定規とボールペンなどを使って線を引いておきます。切るときもマットは裏向きです。簡単に切れますが、手を切らないよう注意してください。
加工② 折り畳み式
加工①の応用編です。マットを真っ二つに切った後に、裏から黒い布ガムテープを貼るだけです。こうすることでマットが折り畳み式になり、持ち運びに非常に便利になります(ただし巻いて持ち運ぶことはやりづらくなります。)。巻き癖が付かず、巻くよりもさらに省スペース(サイズにもよりますが)なのが特徴です。
加工③ ケース一体型
プロマジシャンは、クロースアップケースと一体型にしているのをよく見かけます。ケースの天面に合わせてカットし、両面テープなどで貼るだけです。マジックショップでは、最初からケース一体型のマットも売られていますが、自分が欲しいジャストサイズがなければ、このようにケースに合わせて自作したほうが便利かもしれません。
ちなみにクロースアップケース自体は、マジック用ではなく、一般の収納ケースなどから探すか、自作する場合が多いようです。
自作(?)
通常のマットの品質が十分で、値段もそれほど高いわけではないので、クロースアップマットを完全に自作するメリットはあまりないかもしれません。むしろ既製品を超えるものを自作するほうが難しいと思いますが、選択肢のひとつとしてご紹介します。
まず、マットの構造として、表面の素材と裏面の素材が必要です。表面はフェルトや起毛素材の布など、裏面は滑り止めとクッションを兼ねたゴムやスポンジ系の素材です。これを接着剤で貼り合わせたものがクロースアップマットです。
もし表面と裏面の理想的な素材を見つけ、それらを綺麗に接着することができれば、既製品に負けないマットが作れるかもしれません。実は私はその点についてそこまで詳しくないので、非常に簡単な方法だけご紹介します。
上の写真のような、ホームセンターなどで売っている滑り止めシートの上に、フェルトを乗せるだけです。フェルトは手芸屋さんで買うか、子供用の書道下敷きを利用します。ゆがんだりすると厄介なので接着はしません(笑)。毎回2枚セットで敷くことになります。既製品には及びませんが、安上がりでお試し用には良いのではないでしょうか?
ちなみに、滑り止めシートはステージマジックにも使えることがあります。舞台上のテーブルのテーブルクロスがずれないようにしたり、テーブルの上に置いたハットや箱が滑らないように敷いたりできるのです。
以上でクロースアップマットの記事は一旦完結となります。また何か思いついたら書くかもしれません。気に入ったマットがあると練習のモチベーションにもなりますよね。それも立派なマットの効用です(笑)。それでは今回もお読みいただきありがとうございました。