ペーパーレス、キャッシュレス、脱プラスチック…時代の流れに対応したマジック!

今回はエッセイ風、今後のマジックを空想した記事です。

私は最近、というか少し前から、マジックが時代の流れにやや取り残されつつあるのではないかと感じることがあります。というのも今も昔もマジックで主流なのはカード(トランプ)、お金(コイン、お札)などです。しかし、最近のペーパーレス、キャッシュレスの流れからすると、明らかに時代の移り変わりを感じます。何しろトランプは紙、コインやお札は現金ですから、時代に逆行しているわけです。

トランプの存在は今後も残り続けるとは思いますが、カジノもない日本人にとって、トランプはコンピューターのソリティアか、一部の人たちがプレイするオンラインポーカーのような電子的なトランプくらいで、紙のトランプなんてまず触る機会がないという感じです。

マジシャンもその流れに乗って、紙のトランプをやめてスマホの画面を見せ、「ほら、スペードのキングがハートのエースに変わりましたよ」なんてことをやっても残念ながら全く不思議ではありません。また、今までマジシャン達が培ってきたアナログの技術が使えなくなってしまうのも惜しいです。

もちろん、スマホやタブレットを使うマジックもたくさん開発されてはいますが、例えばスマホで表示されたトランプが実体化する、というようなマジックは、なんとなく根本的な解決になっていないような気がします。スマホやタブレットの利点はそもそも紙が要らないところなのですから、最初から最後まで実物の紙が登場してはいけない気がします。

ペーパーレスで危ないのは新聞も同じで、電子版が普及してくると数多くの新聞紙を使ったマジックが古びてしまう可能性があります。

キャッシュレスの流れからはコインやお札のマジックが危機にさらされます。 お金自体は嬉しいのですが、現金に対するありがたみは減ってきています。 例えば仕事の給料や報酬が、全部500円玉で支給されたら普通の人は嫌がります。できれば紙幣にしてほしいし、できれば振り込みにしてほしいものです。お金をたくさん出すマジックなどは、今でももちろんウケるマジックではありますが、ちょっと前時代的な印象を受けてしまうのは私だけでしょうか?

また、最近では脱プラスチックの流れから、ストローやビニール袋が嫌われものになりつつあります。ストローなどは、カードやコインに比べるとマジックではマイナー素材ですが、ストローに限らずともマジックの道具も脱プラスチックしていった方が良いのかもしれません(ペットボトルなども?)。

また、実はIT関係の素材も要注意で、iPhoneはすぐ新型が出てしまいますし、CDなどのディスク類も言わずもがなです。今もっとも盛んな分野だけに流れが速すぎて、マジックを開発している暇がありません。

動物愛護の観点から、動物を使ったマジックが演じにくくなるのはあまりに有名な話なので割愛しましょう。

今後も絶対(?)に残るマジック素材

一方で、今後もほぼ確実に残ると思われる素材もあります。それは衣食住に関わるもの、すなわち服やカバンなどの服飾関係、食べ物や飲み物、食器類、家具や照明器具、裁縫・掃除用具などです。これらを使ったマジックは既にありますが、今後はよりホットなジャンルになっていくのではないでしょうか?

生活必需品だけでなく、趣味に関するものもあります。例えばスポーツに使うもの、テニスボールやゴルフボールは古いとか新しいではなく、今後も使われ続けることでしょう。また、いっそのことマジック専用の道具も古くはなりません。例えば四つ玉やシンブル、ウォンドやカップ&ボールなどは、マジックの世界では古典的な道具でも、そもそもお客さんにとっては意味不明で用途不明な物体であり、マジックを演じるためだけにあるものだとすれば、古いも新しいもなく、マジシャンが使い続ける限り、生き残ります。

また、真に絶対的な素材は人間の身体です。人間の身体はある意味自由が利かないのが大前提であるため、宙に浮いたり、剣で刺したり、真っ二つになったりといったイリュージョン系のマジックの価値はそうそう変わるものではありません。また、イリュージョンでなくても、普通の人にできない修練が必要な技は、いつの時代もウケるものです。典型的なのはジャグラー(曲芸師)で、時代に関係なく感動を生みます。それはやはり努力を称賛するという人類の性質によるものでしょう。

いずれにしても、今後もマジシャン一人ひとりが今の時代を考えて、それぞれに答えを出していくのだと思いますから、これから私も微力ながらマジックの進歩に貢献していきたいと思っています。

ところで、スマホやタブレットの画面上のみでおこなうマジックを考えたとき、なかなか不思議さを出すのは容易ではないなと感じました。なにしろ端末の画面上なら考えうる限り何でもできてしまうからです。しかし、それは全く逆であることに気が付きました。その画面上で何でもできてしまうIT技術こそが、現代の不思議な魔法であると。

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