書評第1回!

ブログを始めた当初よりやってみたかった書評ですが、すでに絶版の本を紹介してもあまり意味がありませんし、どれを紹介しようか迷ってしまいましたが、記念すべき第1回に相応しい本がありました。



デール・カーネギーの著、『人を動かす』です。あまりに有名な本ですので、読んだことがある方も多いと思いますが、私にとっても思い出深い本です。

私がこの本を初めて知ったのはまだ10代の頃でした。それもマジックの本を通じて知ったのです。書名は忘れてしまいましたが、日本屈指のアマチュアマジシャンの故・高木重朗さんの著書で、現在は絶版になっていると思われます。

その本はマジックのやり方が載っているというよりは、高木さんの体験や、ひとつひとつのトリックを例にして、読み物としてマジックの面白さ、奥深さを伝えるというような内容でした。そしてその一節に次のようなことが書かれていたのです。

「マジックを成功させたいなら、人に好かれる、魅力ある人間になりなさい。そして、そのためにはカーネギーの『人を動かす』を読みなさい」

一言一句は覚えていませんが、大体このようなことが書かれていたのです。私は心底感動し、会ったこともない高木さんを尊敬しました。というのも「マジックを成功させたいなら、人に好かれる、魅力ある人間になりなさい。」という部分はよく聞くような話なのですが、そのための具体的で、そして実行可能性の高い「ただ1冊の本を読む」という方法を示してくれたことに感動したのです。

考えてみてください。「人に好かれる、魅力ある人間になるには?」と聞かれたら普通何と答えるでしょうか?「日々の行動を顧みなさい」とか「常に他人の気持ちを考えなさい」とか、そういったありふれた答えになってしまうのではないでしょうか?そしてそれらのアドバイスによって本当に人は変われるでしょうか?

そのようなことを言わず、ただ1冊の本を示した高木さんに、この上ない知性と優しさを感じたのでした。

さて、肝心の本の内容ですが、これについては私が改めて述べることは特にありません。世界的、歴史的名著ですから、学生やビジネスパーソンはもちろん、あらゆる人にとって有益な内容です。私がお伝えしたいのは、この本がマジシャンにとっても素晴らしい本だということです。もし、マジックが好きで、この本を読んだことがない方がいらっしゃいましたら、ぜひ読んでみてください。私も今回改めて読んでみたら、多くの発見がありました。

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