タイトルを言うべからず!

今回は中級者以上なら当たり前かもしれませんが、初心者だとついやってしまいがちな演出上のミスについてです。

なぜタイトルを言ってはいけないのか

マジックにはたいていタイトル(表題)が付いているものであり、本やDVDなどでもそのタイトルで紹介されています。しかし、これはあくまでマジシャンが演目を整理、区別するための単なる呼び名であり、絵画や音楽の世界でいうところの表題とは異なり、お客さんに提示すべきものではありません。

例えば、「リバース・アセンブリ」「アウト・オブ・ディス・ワールド」などお客さんに言っても意味が分からず、言う必要性のないタイトルや、「鳩出し」「ポケットへ通うカード」など、肝心のオチを伝えてしまっているタイトルまであります。

マジックのタイトルはあくまでマジシャン同士の符丁(暗号、合言葉)なのです。

検索させない

しかし、ときにはお客さんに提示しても構わないタイトルもあります。例えば「今からお見せするのは『カニバル・カード』というマジックです。『カニバル』は共食いという意味ですから、カード同士が共食いしてしまうのです。」といった具合です。

しかし、この場合すらタイトルを言わないほうがましです。なぜなら、少なくとも日本人にとっては最初から「カニバル」などという言葉を使わずに、単に「共食い」と言った方が話が早いこと、そして、今の時代、そのマジックの正規の名前を知りさえすればインターネットで検索して種を知ることができてしまうかもしれないからです。

もちろん、正規の名前を知らなくても色々な表現で検索すれば、そのマジックに行き着く可能性はありますが、やはり検索が容易になってしまいます。ただし、マジシャンの本音としてはわざわざ検索してくれた時点でそれだけ興味を持ってくれた証拠でもあり、マジックとしては成功ではあります。

どうしてもというならオリジナルタイトルをつくってしまう

とりあえずタイトルを言わないほうが良いのはわかった、それではどうすればよいのでしょうか?カニバル・カードでいうと「それではカードマジックをひとつお見せしましょう。4枚のキングを使います…」といった感じで普通に始めればよく、その後のセリフは演出次第です。

すでにマジック歴が長い方は当たり前に思うかもしれませんが、なぜか「3本のロープを使ったマジックです。」と言わずに「それでは3本ロープというマジックをお見せします。」と言ってしまう人もいるのです。「3本」と「ロープ」の間には助詞が入らなければ日本語としておかしい、ということを忘れないようにしましょう(笑)。

もし、どうしてもタイトルを言わなければ気が済まない、という人はオリジナルのタイトルを作ってしまうことをおすすめします。そのタイトルは自分が使う演出に即していて、なおかつ現象を先に伝えてしまわないものにします。

例えば「3本ロープ」を演じようと考え、3本の異なる長さのロープを兄弟に例えて「長男、次男、三男」と呼ぶ演出を考えたとします。その場合は「ロープ三兄弟」なんていうタイトルをつけるのはどうでしょうか?タイトル自体にユーモアが含まれ、演出に即し、なおかつこれから起きる現象には触れていません。少なくとも「3本ロープ」というナンセンス(無意味)なタイトルを言うよりは良いと思いませんか?

まとめ

  • マジックのタイトルはほとんどの場合、単なるマジシャンの符丁
  • 基本的にタイトルは言わなくてよい
  • 演出次第ではオリジナルのタイトルをつけてしまうのもアリ

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です