クリスマス・マジックの考え方

12月は世界中で最もマジックが演じられていると思います。そこで今回はクリスマスにマジックを演じる際の私なりのポイントや考え方などをまとめておこうと思います。

得意なマジックでOK

まず最初に、クリスマスだからといってクリスマスらしいマジックや、特別なマジックをやろうとしなくても良いんじゃないかということです。そもそもマジックは西洋のものなのでクリスマスと相性は良く、マジックショーを見ること自体がクリスマスらしいとも言えます。

 ここでいう得意なマジックとは、やり慣れていて失敗しにくいマジックや、喜んでもらえる可能性の高いマジックです。クリスマス専用に練習した慣れないマジックで失敗するよりは、得意で安定感のあるマジックの方が喜ばれやすいと思いますので、実験的なネタは1~2くらいまでにとどめた方が良いんじゃないかと思います。

シチュエーションを考慮する

得意なマジックといっても、あまり少人数なのにバリバリのステージマジックをやったり、それなりに大きい会場なのに見にくいマジックをやっても効果が薄くなります。また、子供が多いのか、お年寄りが多いのか、パーティーでお酒が出るのかなどの状況も大切です。

ここはマジシャンの経験や想像力を駆使して想定するしかないですが、ひとつだけ忘れてほしくないのが、マジックは緻密な芸能であるということです。例えばステージやパーラーであっても最前列のお客様との距離はクロースアップ並みであることも少なくありません。近くにいるお客様にも種が見えないことは大前提ですので、そこだけは注意していただきたいと思います。

クリスマス要素

きちんと皆に見える不思議なマジックを演じれば十分合格点ですが、多少なりともクリスマス要素も入れるとやはり喜ばれます。

一例として、衣装や道具にクリスマス要素を取り入れることが考えられます。キャラやシチュエーションに合っていればサンタの帽子をかぶるとか、またはレッドやグリーン系のネクタイをするなど、さりげなく色を意識するだけでもクリスマスらしさが増すと思います。

ここでちょっと注意したいのが、完全にサンタクロースの格好をする必要はないんじゃないかということです。個人的にはサンタパフォーマンスとマジックショーは別ジャンルだと思っていて、街頭で外国人の男性がサンタクロースの衣装でノベルティなどを配っているととてもわくわくしますが、それはあくまでサンタクロースのグリーティングです。本来サンタはマジックをするものではありませんし、ましてやプレゼントを配るわけでもないのにサンタの格好をする意味もあまりないかと思います。

また、衣装以外にも、定番のアイディアとしてはシルクなどの道具を赤や緑、白を使うなどしてクリスマスの雰囲気を出すこともできます。

宗教問題は?

宗教問題は日本にいるとほとんど実感することはありませんが、それでも街中で「メリークリスマス」の文字を見ることは減ってきています。代わりに「ハッピーホリデイズ」を使うことが増えています。衣装や道具の色使いでクリスマスを感じさせるくらいならOKですが、場合によってはあまりにクリスマスに寄せ過ぎない配慮も必要かもしれません。

YouTube

今週はこのような動画をYouTubeに投稿しました。

非常にクラシックな定番マジックで、初心者でも簡単にできるものですので、この動画を見てぜひマスターしていただければと思っています(今回はやり方も詳しく解説しています)。

しかし、実を言うとマジックがけっこうできる中級者以上の方にもおすすめしたいマジックです。例えばカードマジックが得意で、たくさんできるという方もいらっしゃるでしょう。しかしカードマジックだけですと、どうしても平面的で単調になりがちです。

そこでこの動画のマジックを、あまり構えずに、「まずはちょっとクリスマスらしい雰囲気を出したいと思います」などと言ってオープニングにさらりとこれをやってから本題のマジックに入ったり、あるいは途中で気分転換的にこのマジックを挿入したり、あるいは手伝ってくれた子供にこのマジックをプレゼントしたりと、使い道は様々です。小さな子供のいる家庭では一緒に工作感覚でやっても良いと思います。

マジックを芸能というちょっと広い目で見てみると、結局「人が何かやって楽しませる」ということになり、トータルバランスが大切になります。不思議さだけでなく、変化に富んで面白いことをやって見せれば良いショーになると思いますので、クリスマスにマジックをする予定のある方は参考にしていただければと思います。

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