アンビシャスカードの論点

今も昔も定番のマジックであるアンビシャスカードですが、定番すぎて敬遠する方もいらっしゃると思います。

実際、今でも非常にウケやすいマジックではあるのですが、いざやろうとなると意外に問題点も多く、そう単純なマジックではないことがわかります。

選ばせ方とサイン

アンビシャスカードで最も疑われるのは同じカードを何枚も使っているのではないかということですが、これを回避するために最も効果的なのはサインをさせることです。ただし、サインをさせずとも同等の効果を得ることはできます。

最初にカードの表をざっと見せていろいろなカードが混ざっていることを確認し、その上で1枚コールさせるのです。1枚取らせるのと違い、1枚言ってもらうことでマジシャンがコントロールできないことが明らかになり、同じカードが複数枚あるとは思われなくなります。

また、借りたトランプを使う場合も同様です。世の中には星の数ほどたくさんの種類のトランプがありますので、たった今借りたトランプと同じトランプを用意するのは不可能なことが誰でもわかるからです。

いくつ現象を起こすか

アンビシャスカードは通常、繰り返し現象となりますが、何回繰り返すのがベストなのかが問題です。プライベートでごく少人数に対する余興として行う場合は2回で良いと思います。そして、お客様の人数が多かったり、ある程度「マジックショー」という体裁で演じる場合は、もう少し長い手順でも良いと思います。

リクエストされるままにあまりに何度も繰り返すことで種が発覚しないように注意しなくてはいけません。だから、あらかじめ手順は定めておき、予定以上は繰り返さないのが大切です。

また、仮にばれなかったとしても回数を増やしすぎないでください。もう既にノックアウトしている相手に追撃する必要はなく、せめてテイストの違う別のマジックを演じた方が良いと思います。

どんな技法を使うか

自分が使いたい技法を使うのではなく、自分がどんな状況で演じるのかを想像し、適した技法を選ぶことが大切です。

様々な角度から安全かつ確実に行える技法を選ぶことで、自分に合っていない難しすぎる技法は排除されていきます。

クライマックスは?

そもそも2~3回だけのアンビシャス現象なら、クライマックスがなくても十分なマジックです。

しかし、ある程度ショーとしてこのマジックを見せる場合は、何度か繰り返してそのまま終わってしまうと、物足りないというか、いつが終わりなのかよくわからないマジックになってしまいかねません。

個人的には無理にクライマックスを付加せずに、2~3回のみで終える手順を多くの機会に演じてみるのが良いかと思います。

実力がついてクライマックスを検討する場合は、やはり実演のシチュエーション、自分の衣装なども勘案して無理なく行えるクライマックスを模索してほしいと思います。

さいごに

「クロースアップマジシャンが猫も杓子もアンビシャスカードを演じる」と言われることがありますが、アンビシャスカードひとつとってもマジシャンの数だけ演じ方があり、個性も現れると思いますので、一概に馬鹿にしてはいけないと思います。

不思議さを追求した手順、アクロバティックな手順、演出に凝った手順など、アンビシャスカードの可能性はまだまだあると思いますので、中級者の方はまずは基本的な短い手順を、上手な方は独自の手順を演じていただけたらと思います。

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