小説「マスカレード・ナイト」感想

日本を代表するミステリー作家の東野圭吾さんによる「マスカレード・ホテル」「マスカレード・イブ」に続くマスカレード・シリーズ第3作「マスカレード・ナイト」を読みましたので感想です。ネタバレはほぼなしです。

2020年も終わりに近づいていますが、なんだかあまり年末という実感がわきません。やっぱり今年はなんだかんだ何もできなかったな、という印象があるからかもしれません。もし、このブログを読んでいる方の中に、もうちょっと年末気分を味わいたいな、という方がいたら、この小説をおすすめします。まさに年末の高級ホテルが舞台です。

私の場合は何となく季節感というか、小説の中の季節と実際の今の季節が合っていると、読書がより楽しくなります。また、現在世間では日本中がマスクをしていて、お互いに顔がよく見えないマスカレード(仮面舞踏会)状態です。小説の中ではコロナは蔓延っていませんが、少し重なります。

私はマスカレード・シリーズは全部読んでいるのですが、一応今作から読んでも問題なさそうでした。登場人物が「またホテルで事件か」的なセリフは言いますが、基本的には独立した事件なので大丈夫です。このシリーズはロイヤルパークホテルという実在のホテルで取材をしているそうで、本当にホテルの建物や従業員などの描写がリアルで、無駄にホテルに泊まりたくなります。

また、ほんのわずかですが「マジック」というワードも出てきます。客も従業員も仮装して参加するホテルのイベント「マスカレード・ナイト」で余興としてマジックや大道芸があるそうなのです。そんな仕事が実在したらぜひ私も出演してみたいものです。ちなみにマジックについての詳しい描写はなかったのですが、お客様のコスプレが派手過ぎてマジシャンやジャグラーが目立たない的な描写があり、そこも妙にリアルだなと感じました。

全体の内容としては、このシリーズを読んでいる方ならご存知の通り、今作もホテルのめちゃくちゃなお客様がわんさか登場します。この作品のせいでホテルのコンシェルジュに無茶な要望やクレームをするお客様が増えないことを祈るばかりですが、そんなクレーマーたちそれぞれのエピソードが、ある意味短編のような感覚で読み進めることができ、読者を飽きさせることがありません。その上で全体として大きな事件も進行していく、という構成で、全500ページ超の長編にも関わらず、あっという間に読めてしまいます。

テレビや映画、ゲーム、スマホなど、娯楽はたくさんありますが、やっぱり小説もすごく良いものです。文字の情報しかない分、あっという間に空想の世界に浸れます。まだまだ年末はこれからですが、年末の娯楽小説にぴったりの1冊だと思います。

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