オープニング・マジックの考え方

オープニング・マジック、つまりショーなどで一番最初に演じるマジックの考え方ですが、私自身まだまだオープニング・マスター(?)には程遠いので偉そうなことは言えませんが、自分自身に言い聞かせたい、そして私と同様オープニングについて悩んでいる人のヒントになればと思って書きます。

マジックに限らず、芸事において最初の「つかみ」が大切、というのはよく言われることですが、極端な話、オープニングさえ上手くいけば万事OK,逆にオープニングでしくじると後まで引きずるのはよくあることです。それだけオープニングは重要かつ難しいと言えると思います。

ちなみにプロの芸人の場合はその人の存在自体、例えば顔、体型、声、知名度などが「つかみ」になっていることもあり、それは素晴らしいことなのですが、万人が真似したり、参考にできる代物ではないので、この記事では一旦置いておきます。

3大傑作オープニング・マジックに学ぶ

具体例がないとイメージが湧きづらいので、3つの傑作オープニング・マジックを挙げてみましょう。あくまで私が適当に選んだだけですので、マジック界にそういう3大○○があるわけではありません(笑)。

1.ボウリング・ボールの出現

言わずと知れた、ケビン・ジェームズの傑作マジックで、大きなスケッチブックにボウリングのボールの絵を描くと、スケッチブックから本物のボウリング・ボールが出てきます。

2.ワイン・ボトルの出現

風船を膨らませ、それを割ると中からワイン・ボトルが出てきます。フランスのデビッド・ストーンによって一躍流行のマジックとなりました。

3.ステッキの消失

オランダの大名人、フレッド・カップスの有名なマジックで、ステッキを新聞にくるんでから魔法をかけ、新聞を開くとステッキが消えています。

誤解のないようにしておきたいのですが、これらのマジックをおすすめしているわけではありません。むしろ、仮にプロ、アマすべてのマジシャンがこの3つのどれかをオープニングにしてしまったら没個性でつまらないことこの上ありません。しかし、これらのマジックにはオープニングのマジックとして重要なエッセンスが含まれていると思うので、そこを学びたいと思います。

オープニングはただ短ければ良いわけではなく…

通常、オープニングに適したマジックは時間的に短くて、観客が関わらないもの、と言われています。その理由は、まず早めに拍手などの反応を得たいということ、お客さんを絡めると時間的に長くなりますし、第一いきなり最初からマジシャンに指名されてお手伝いするのは普通は気が引けるものだからです。

先の3つのマジックはこれらの条件を満たしてはいますが、私はそれだけではなさそうだと考えています。ただ単に短くて、観客が関わらないマジックだったら他にもたくさんありますが、それらが全てオープニングに向いているわけでもないからです。

私が浮かんだキーワードは「期待させる間」

私がオープニング・マジックに必要だと思うのは、現象が起きる前の「期待させる間」だと思います。先に挙げたマジックはどれも時間的には短いものの、いきなり不思議な現象を起こすわけではなく、現象が起きる前に、それを予感させ、期待させるような間があります。例えばスケッチブックにボウリングの絵を描いている時間、風船を膨らませている時間、ステッキに新聞を巻いている時間などです。

これはおそらく必要な間であり、決して、スケッチブックに予めボールの絵を描いておいたり、最初から膨らませた状態の風船を使ったり、新聞を使わずにステッキを消したりしてはいけないと思うのです。

ちなみに、どうしていきなり現象を起こさずに、期待させる間をつくった方が良いか、考えたのですが、やはりオープニング・マジックの現象というのはできるだけ見逃してほしくないから、というのが大きいと思います。また、視覚だけに訴えるよりも、観ている人の想像力に働きかけた方が効果的であるから、とも言えます。

このようなことを意識すれば、オープニングに向いたマジックの選び方や、既存のマジックをオープニング向けに演じるにはどうしたら良いか、などというアイディアにもつながりそうです。

これからオープニング・マジックを考える人や、自分のオープニング・マジックをパワーアップさせたいと思っている人に、この「期待させる間」というキーワードがヒントになれば幸いです。

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