カードマジックが得意?①

「カードマジックが一番得意なんですか?」という質問をされることがありますが、これは意外と難しい質問です(笑)。

このブログも今のところカードに関する記事が一番多いですし、「はい」と答えればよさそうなものですが、そう簡単にはいかない部分もあります。その理由をいくつか挙げてみたいと思います。

余程の自信がなければ「はい」と答えにくい(笑)

相手はあくまで、自分の中で一番得意なのは何か、という意味で聞いているので、「はい」と答えても問題ないのですが、世界中に滅茶苦茶上手い人がたくさんがいる中で、私などが得意というのはおこがましい、という気持ちが「はい、得意です」とは答えづらくしています。

もしかしたら謙遜を美徳とする日本人的な感覚なのかもしれません。また、マジックに限りませんが、ある分野を詳しく研究していくほど、自分がその分野について全然わかっていないということが分かる、いわゆる「無知の知」という理由もあるかもしれません。

「カードマジック」というジャンルの大きさ

別の理由として、そもそもカードマジックというジャンルが、マジック全体の中で占める割合が大きすぎて、ほとんどのマジシャンにとって最も得意なのがカードマジック、という状態になってしまっているということがあります。特にクロースアップマジックで顕著です。

その点、私は比較的バランスよく(?)習得している方で、コインやロープ、ステージもやるという意味で、カードマジックのウェイトはむしろ他のマジシャンより小さいかもしれません。そうするとなおさら「カードが一番得意」とは言いづらくなってきます。

ちなみにマジック教室を続けていく上ではやはりカード以外のマジックの研究が重要で、受講者の方の興味がカードに偏っているとは限りませんし、1回90分の講座がすべてカードだと、気持ちの切り替えができずにかなり疲れてしまいます。また、受講者の方がいずれ自分のショーを構成しようと思ったとき、カードばかりではなかなか上手くいきません。お客さんに飽きさせないためにはある程度素材のバリエーションがあった方がやりやすいのです。

ただし、初心者の方が「騙しきる」という観点ではやはりカードは優秀で、トランプ自体が適度な複雑さを持っているので、巧みな構成で、それほど難しくないカードマジックが最も見破られにくいのではないかと、私は思っています。アマチュアマジシャンの極初期段階でよくある、毎回種がばれてしまう、という悩みに対しては、難しすぎないカードマジックがおすすめです。

(次回に続きます)

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