テンヨーシンブル絶版?

昔からステージ~サロンマジックの定番であるシンブル(指ぬき)の手品ですが、日本ではプロアマ問わずテンヨー製が最もよく使われていました。

ところが少し前からですが、テンヨーさんのホームページからシンブルがなくなっていました。もしこのまま絶版だとしたら愛用者も多かっただけに非常に残念だと思います。

テンヨーさんも一企業なので売れない商品を絶版にするのは仕方がないことだと思いますが、基本用具が手に入らなくなっていくことは日本のマジックが衰退することを表していると思います。

昔からマジックが盛んな国ではマジックの基本用具が高いクオリティで作られている傾向があります。大昔はヨーロッパ、次にアメリカに移り、日本でもマジックが盛んになってくるとテンヨーさんやみかめくらふとさんが質の高い四つ玉などの基本用具を作ってきました。

しかしみかめくらふとさんは四つ玉の製造を止め、テンヨーさんも40mmのみとなってしまいました。45mmの四つ玉を望む声は今も根強いですが、それでもきちんと利益が出るほどの需要はないということだと思います。

日本の次は韓国でマジックが盛んになり、やはりJLなどのメーカーが優れた基本用具をたくさん作っています。

テンヨーさんは今も昔も日本のマジックに多大な貢献をしていますが、私の個人的な好みからは離れていってしまっています。昔のテンヨーさんではゾンビボール、エッグバッグ、カップ&ボール、チャイニーズステッキ、ライスボウルなどなど、本当に素晴らしい古典作品が非常に高いクオリティで作られていました。

しかし最近では毎年新製品は出ているものの、自分でも買ってみたいと思うものはあまりありません。なんかいかにもマジックグッズをそのまま演じている感じがするからです。

とはいえ、あまり懐古ばかりしていても仕方ありませんので今でも手に入るテンヨーさんのおすすめ商品も挙げておきます。

ロープtoシルクデビルハンカチーフマジックセットなどです。

古典的なマジックは基本的には難しいものが多く、たくさんの練習が必要です。その分、誰にでもできるわけではありませんが、だからこそ趣味として成り立ちます。買っただけでできるようなものを趣味とは呼べません。

「スマホ脳」という本の著者が住むスウェーデンでは、近年クラシック音楽を習う子供が減っているそうです。それは昨今の子供がすぐに得られるご褒美(報酬)に慣れ過ぎてしまい、長く、根気強く練習することに耐えられなくなってきているからだといいます。私はそれは日本でも同じだと思いますし、また子供だけでなく大人にも当てはまると思います。

難しいマジックの練習はまさに楽器の習得と同じで、繰り返し根気強くやることが必要です。しかし、練習に耐えられないということは、テンヨーさんが難しいマジックの道具を作ってもあまり売れずに廃版にするしかなく、簡単なマジックグッズの方が売れて作られることになります。

いや、実を言うとそれでもまだましな方で、どんなに簡単なマジックでも人前で演じるには、緊張もしますし、それなりに準備しなければいけません。本当に楽な趣味をやろうと思ったらスマホゲームとか、ネット動画を見るとか色々ありますので、マジックを趣味にすること自体すごいことかもしれません。

話が脱線してしまいましたが、テンヨーさんのシンブルが手に入らなくなってもまだ希望はあります。DPグループさんの「妖精の帽子」です。

これは実質的にはシンブルと同じです。気になる性能ですが、私は個人的にDP版シンブルを高く評価しておりまして、特に以下の4点で優れています。

割れにくい

テンヨー製などのシンブルは熱心に練習しているといつかは割れてしまいます。また、間違って踏んでしまってももちろん割れます。しかしDP製は同じプラスチック製であるにも関わらず、かなり丈夫で割れにくくなっています。

少し大きい

テンヨー製と比べてミリ単位ですがほんの僅か大きく作られており、多少なりとも見栄えがします。でもスライハンドではこのわずかな差が結構大切です。

色が良い

テンヨー製の8本シンブルは赤、青、黄、ピンクが各2本ずつでした。DP版は白×4、赤、青、緑、黄が各1本という構成です。個人的にはこちらの方が様々な手順を組むときに使いやすいと考えています。

重ねやすい

シンブルはちょうどミニチュアの紙コップのような感じで重ねることができますが、DP版はテンヨー製と比べて高さがわずかにコンパクトになっています。これもどちらかと言えば有利な点です。

というわけでぜひDPグループさんにはシンブルを頑張って絶版にしないでいただきたいと思います。そしてテンヨーさんも他のメーカーさんも、ぜひ今後とも素晴らしい古典作品を作っていただけたら嬉しく思います。

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