ジャグリングとマジック

ジャグリング(曲芸)とマジックの比較、そして私が見て素晴らしいと思ったジャグリングの動画も紹介します。

私はもちろん、ジャグリングよりもマジックを愛しているのでマジシャンをやっているわけですが、ジャグリングも素晴らしいジャンルだと考えていて、ときどき羨ましいとすら思うことがあります。

角度の強さ

ジャグリングは角度に強く、360度どこから見ても楽しむことができます。それどころか2階席など、はるか上からの目線も関係ありません。サーカスのような円形劇場や屋外の特設ステージなど、本当に素敵なロケーションでショーができるのが素晴らしいです。

もちろんマジックも工夫次第ではありますが、どうにも制限が厳しくて、円形ステージではおそらくほとんどのマジシャンは妥協が必要で、ベストの演技はできないと思います。

観客の心構え

ショーを見る前から、お客様の心構えが全く違います。人にもよりますが、マジックはとにかく種を見破らなくてはいけない、というマイナスからのスタートをすることが少なくありません。これはどんなに偉大なマジシャンでも例外ではなく、私は実際、「俺はランス・バートンの種を見破った!」と自慢する人を見たことがあります。それが一体何だというのでしょうか?

ピアノのコンサートに行って「あの曲は俺でも弾ける」と言ったり、サッカーを見て「あのシュートは俺でも打てる」と言ったりするのと同じで、何の意味もないことです。

もちろん、ショーが始まれば、マジシャンの実力次第では種を見破ることから気をそらしていくこともできますが、マジックならではの苦労があります。

その点、ジャグリングはそこまでネガティブな気持ちで始まることは少ないかと思います。中には意地悪く失敗を願う観客もいるかもしれませんが、マジックは成功すると観客が「騙された」と思うのに対し、ジャグリングの成功は純粋に技術に対して拍手が送られるところで、観客と演者の対立は起きにくいのではないかと思います。

ストイックさ

私はシンプルにジャグラーのストイックさが大好きです。絶え間ない練習の姿勢が本当に格好良いと思います。

もちろんマジシャンも努力が必要ですが、マジシャンが往々にして不摂生をして、太ってしまったり、健康を害したりするのを見ると、とても残念に思います。太ること自体が悪いとは思いませんが、太っていることを利用するか、逆に自分の演技を顧みて、自分のマジシャンとしてのベスト体重を維持する努力をすべきなのではないかと思ってしまいます。

逆に言えば多少太っていても、多少不健康であってもパフォーマンスできてしまうのがマジックの弱みです。ジャグラー、ダンサー、パントマイミスト等は健康な身体が必須のため、ほとんどの方が美しい身体をしています。彼らのストイックさは、マジシャンも見習うべきなのではないかと思います。

ジャグラーの苦労

私もジャグラーの方とお話したことがありますが、もちろんジャグリングならではの苦労もあります。例えば、どんなに練習しても失敗はありうるということ、道具を落としたら下手だと思われてしまうこと。屋内だと天井が低すぎて得意技ができないことが多々あるともいいます。

また、マジックとの比較では、「クロースアップ」というジャンルが弱く、ダイススタッキング(サイコロを使った曲技)など、わずかにあるものの、マジックほど多様なクロースアップショーを展開するのは難しいそうです。

またジャグリング教室の運営というのも意外に難しいようです。というのも、まず第一に「ジャグリングは難しそう」という印象から、受講者の募集に苦労してしまうそうです。この点、「マジックなら、種さえわかれば簡単だろう」と思われがちなマジックとは対照的です。

例えば「自分は運動が苦手だから」とか、「自分は高齢だから」とジャグリングを敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、私はそういう方にこそ他業種ながらジャグリングを始めてみてほしいと思います。

運動不足の方に突然トライアスロンをやれというわけではありません。ジャグリングは軽い運動としてもちょうど良いと思います。また、高齢者の方もスーパーテクニックを習得しなくても良いので、ごく簡単なボールジャグリングだけでも、頭と身体をフル活用しますので、ジャグリングをやるべきだと思います。

Kris Kremo(クリス・クレモ)

私は普段ジャグリングの動画を見ることはあまりないのですが、ある日、なぜかYouTubeのサジェストにジャグリングの動画がありました。なんとなく見てみたら、これが本当に素晴らしく、Kris Kremoという著名なジャグラーであることを後から知りました。

実を言うとこの動画を紹介したくてジャグリングの記事を書いたといっても過言ではありません。もちろん他にも素晴らしいジャグラーはたくさんいらっしゃると思いますが、Kris Kremoさんは私が非常に好きな雰囲気ですし、実際人気のジャグラーなので、皆さんにもご共感いただけるかと思います。(私のアップロードした動画ではないので、リンク切れの際はご容赦ください)

クリスマスにこんな素晴らしいジャグリングショーを生で観られたらきっと大満足だと思います。

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