「奇術を楽しむ」ワークショップ御礼&感想

去る12月10日(日)、大久保スポーツプラザにて、私が担当する「奇術を楽しむ」マジックワークショップが開催されました。多くの方にご来場いただき、盛況のうちに終わることができました。

このイベントは既に何度も開催され、私や他のマジシャンが様々なマジックを演じ、講習しています。今回は私なりに工夫し、カードマジックに特化したワークショップとしました。最初に演じるマジックもカードのみ、その後の講習もカードのみです。

カードマジックには好き嫌いがあります。演じるのが好き、嫌い、見るのが好き、嫌いという具合です。問題なのは嫌いなパターンです。

カードマジックを演じるのが嫌いな人は、なぜ嫌いなのでしょうか。それは上手くできないからです。そしてなぜ上手くできないかというと、基本的な知識と技術が備わっていないからです。

マジシャンが決して忘れてはいけないのは、普通の人は全ての札を正しく読めるとは限らないということです。例えば「J」を「ジャック」と読むとか、「♣」を「クラブ」と読むとか、本当に基本中の基本から説明しなくてはいけないのです。そのような基礎知識が身につかないと、カードマジックを演じることはもちろん、観賞すらままなりません。

また、初心者向けだろうと勘違いして、ブレイク、グライド、マルチプルリフトなどを教えるのも良くありません。まずは各種グリップや通常のディーリングから教えなくては、先に進めません。

最低限の知識と技術が身に付けばカードマジックを演じるのに苦手意識はなくなるはずです。

次に、カードマジックを見るのが嫌いだという人は、なぜ嫌いなのでしょうか?様々な可能性がありますが、カードマジックがつまらなく感じる理由の一つとして、展開がワンパターンになっていることが挙げられます。

一枚引いて当てる、ということの繰り返しだと、パターンの乏しさに加え、毎回カードを覚えなくてはいけない負担などもあり、面倒になってきます。マジシャンはカードマジックを複数演じるなら、できるだけバラエティに富んだ現象を起こし、新鮮に感じさせ続けなくてはいけません。

今回のように客席30ほどのパーラーで、カードのみのショー&レクチャーをするとなると意外に考えなくてはいけないことが多く、道具のシンプルさとは裏腹になかなか大変です。しかし苦労の甲斐あり、アンケートでも好評をいただきました。また、客席ではマジシャンの瞳ナナさんとわか葉さんが見に来てくださり、お褒めの言葉をいただきました。見に来てくださった皆様、スタッフや会場職員の皆様、本当にありがとうございました。

最後に、ブログを読んでくださった皆様に、私の推薦図書をご紹介します。

私が敬愛するロベルト・ジョビー氏の著書です。かなり上級者向けの本ですが、カードマジックが得意な方が、ステージやパーラーで立って演じたいときには大変役立つと思います。

同じくロベルト・ジョビー氏の著書で初心者~中級者の方にはこちらをおすすめします。ながらく絶版だった本書ですが、ついに新訳版としてパワーアップして刊行されました。旧訳版を持っていない方にとっては必携の本です。

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