トーク考察〜「何を言わないか」意識する

トークマジックはもちろん、スピーチや挨拶など話が上手くなるにはどうしたら良いか、私も日々考えていますが、今回はちょっと変わった切り口で考察したいと思います。

口は災いの元

私はスピーチやトークマジックにおいても、「口は災いの元」という諺は成立すると思っています。

マジックの場合、代表的なのは現象を先に説明してしまったり、まだ観客に与えないほうが良い情報を与えてしまったり、といったことです。これらを吟味するだけでトークマジックはずっとウケるものになると思います。

しかしトークマジックやスピーチで、私がそれ以上に大切だと思うのは、人を不快にしないことです。

聴いている人をネガティブな気持ちにしないマジックやスピーチならば、及第点は取れていると思います。

ネガティブな言葉、話題

皆さんが通常スピーチをするとき、悪意をもってわざと意地悪を言うことは少ないでしょう(もしあったらやめましょう)。

しかし悪気はなくても、つい陥ってしまう落とし穴はあります。例えば最近でいえばコロナの話題です。

もし、コロナと直接関係のないイベントなり会合なりを、盛り上げたい、成功させたいと思うなら、コロナの話題はしないのが得策です。やむを得ず言及するときも、最小限にするべきです。

スピーチや挨拶のとき、枕詞のようにコロナの話をしていませんか?仮に「最近は感染者が減ってきた」などのポジティブな方向性であっても、要注意です。

人々はニュースでコロナの話題に飽き飽きしていますし、その危険性も各自が評価した上で行動しています。むしろ貴重なのはコロナを忘れる時間です。

コロナ関係なしに無節操な行動をしろというのではなく、コロナとは別の興味深いトピックを提供できるのが、価値あるマジシャンやスピーカーだと思います。

コロナ以外にも、事件事故、病気、犯罪などネガティブなテーマはこの世に溢れています。これらを意図的に除外して、代わりにどんな話をしたら人々が幸せになれるだろうか、考えてマジックやスピーチをしたら、きっと良いと思います。

あくまで裏技

エンターテインメントの世界では昔からホラーやミステリは人気です。これらはネガティブなテーマを扱いますが、実際ネガティブな話題は人を惹きつける魅力もあります。

しかし、これはマジシャンやスピーカーにとってはあくまで裏技として使うべきで、何のオチもなく不用意にネガティブな話題をするのはマイナスにしかなりません。

時間が短ければ尚更で、基本的にはポジティブなテーマ、ポジティブなワードのみで終わった方が良いと思います。

私自身もマジックにネガティブなテーマを取り入れるとしたら、悪趣味にならないよう、かなり慎重に考えます。初心者の方にはおすすめできないテーマです。

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