ステージマジックに使う道具のサイズ

今回はステージマジックの話題、ステージで視認できる道具のサイズについての考察です。

基本的にステージでもクロースアップでも道具は大きい方が見やすく、効果があることは間違いありませんが、ステージとはいえ無限に道具を大きくすることもできませんので、最小でどれくらいの大きさなら客席から十分に見えるのだろうか、と考えました。

そこでまず、視力検査に使うランドルト環(上下左右を向いたC字型の記号)について調べてみたところ、視力1.0の基準は線の太さ1.5mm、切れ目の間隔1.5mmのランドルト環を5メートルの距離から切れ目の方向を認識できることのようです。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%96%E5%8A%9B

(はじめて使ってみた「いらすとや」(笑))

そこでざっくりと、視力1.0の人は1.5mmの物体なら5メートルの距離から視認できると仮定しました(もちろん照明や色のコントラスト等、様々な要因が絡むので正確ではありません。)。

さて、それでは具体的に観客の視力とステージまでの距離を想定しましょう。現代日本人は総じて目が悪い傾向にありますので、片目1.5という人は稀でしょう。かといって両目で0.1しかない人が、眼鏡もコンタクトもせずに生活しているというのも考えにくいです。そこで日常で困らないと思われる、両目で見たときに0.7を基準とすることにしました。

また、マジックはイリュージョンなどを除き、基本的には小劇場クラスのサイズが向いていて、それ以上では仮に見えたとしても効果や面白さは後方の客席まで伝わりにくくなります。そこで小劇場の最後部からステージまでの距離として、20メートルと仮定してみましょう。

それでは両目で視力0.7の人が20メートル先の物体を視認できる距離はどのくらいになるでしょうか?

1.5mm×(20m/5m)÷0.7≒8.6mm

約9mmという結果が出ました。これはなかなか面白い数値で、ステージマジックでもよく使われるロープは太さが1センチ前後のことが多いので、大体一致しています。また、通常のサイズのトランプの模様も、絵札などの複雑な模様は認識できませんが、数の少ない字札(スペードの2、ハートの3など)なら、マークはよくわからなくても数は認識できそうです。また、シカゴの四つ玉の直径は普通4~5cm位ですが、最悪1cmでも良いということでしょうか?(逆にやりづらい!)ちなみに下の商品は4cmよりも小さめです。

ついでにその他の距離や視力でも応用できるように一般化した公式も示しておきましょう。客席と演者の距離をdメートル、観客の視力をxとしたとき、視認可能なサイズは

1.5×(d/5)÷x=0.3×d÷x(mm)

となります。例えば広い会場を想定して最後部の客席からの距離が40m、お客さんに高齢者が多いので両目で0.3を想定すると、0.3×40÷0.3=40mmとなります。これだとちょうど一般的な四つ玉サイズになりますね。

以上、あくまで眼科医でも何でもない私ダーク和秋の推定値ですので、参考程度にお願いします。また、万が一、眼科医や専門家の方がこのブログを読んでいましたら、コメントで間違い等を指摘していただければ幸いです(さすがにないか(笑))。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です