初心者必読!テンヨーのマジックを買う前にこの記事を読もう

㈱テンヨーは日本で最も有名で品質も高く、大手のマジックメーカーで、プロアマともに多大なる恩恵を受けています。実際にテンヨーのマジック道具を買ったことがある方も多いと思いますが、今回は買う前にちょっと注意してほしい道具を紹介します。

まずマジックを演じるにあたり、簡単なマジックは存在しないということを念頭に置いてください。「初心者向けのマジック」というのは「未経験歓迎の仕事」と同じで、未経験でも一生懸命やれば何とかできる、という意味です。

それは当然テンヨーのマジック製品も同じです。簡単にできるものは一つもないということを忘れないでください。

その1 マネーショック

このマジックはお金のマジックということでとりわけ人気が高いようです。お札はそれなりの大きさがあるので遠くからでも見え、大きな会場で大人数に見せることもできます。現象も素晴らしく、誰もが認める傑作マジックです。

しかし、近距離で見せることはできないことはないものの、あまり向いていません。少なくともかなり高い精度で演じる必要があるでしょう。

また、仕組みは簡単ですが、実際に人に見せられるようになるには、非常に難易度が高く、私は到底、初心者が自力でできるようになるとは思えません。

そもそもこのマジックはイギリスのパトリック・ペイジ氏が考案し、オランダのフレッド・カップス氏や日本では北見マキさんが演じていたのが有名です。すなわちプロ御用達のマジックなのです。

お札は当然紙なので非常に繊細な扱いが求められます。私自身がこの製品を演じることはありませんが、北見先生のハンドリングで演じたことはあります。マネーショックの方は商品化に際して少し複雑化してしまったような気がし、個人的には北見先生のシンプルなバージョンの方が好きです。

私は正直に、初心者がこの製品を買ったとしても、お蔵入りになるか、演じたとしても種が見えてしまうかのどちらかになってしまうのではないかと思います。

その2 よみがえる新聞紙

これも有名な破いた新聞紙の復活マジックです。新聞の復活は多くのマジシャンが様々な工夫を凝らしていますが、この商品はジーン・アンダーソン氏の方法を基にしています。

新聞というアイテム自体が少し古くなってしまったものの、破いた新聞の復活は昔からプロマジシャンが頻繁に演じる演目でした。中でもジーン・アンダーソン氏の方法はかつては画期的な発明としてもてはやされていました。

ともかくこのマジックも難しいです。その証拠として、皆さんは新聞紙をテーブルを使わずに空中できれいに破けるでしょうか?真ん中で半分に裂き、2枚を重ねてさらに半分に裂き…というのを繰り返して、小さく破っていくのですが、この部分はマジックではありませんので、練習あるのみです。この時点で簡単とはいえないと思います。

また、厳密にはジーン・アンダーソン氏の方法とはギミックが少し違います。個人的にはテンヨー製のギミックはやや重くて使いにくいような気がしています。

とにかくこの商品を買った方は説明書を熟読し、注意深く準備、練習をしてください。何度も繰り返し練習すればできないことはないと思います。

ちなみに私が新聞の復活を演じる場合はスライディーニの方法を私なりにアレンジしたやり方を使っています。未発表ですが、機会があれば発表するかもしれません。

その3 チャイナリング

こちらもクラシックマジックの傑作、チャイニーズ・リンキング・リングのミニサイズです。数人から数十人まで見せることができ、横から見ても後ろから見ても種はわかりません。このマジックを完璧にマスターすれば一生の財産になると言っても過言ではありません。

そういう意味ではおすすめのマジックなのですが、大変練習が必要で、簡単とは言い難いです。

まとめ

テンヨーのマジックは他にも多くの製品がありますが、基本的に簡単なものはひとつもありません。それは簡単なマジックがこの世に存在しないからです。しかし、だからこそ私は皆さんに希望を持ってほしいのです。

簡単なことをする人のことを誰も尊敬しません。難しいことをする人が尊敬されるのです。だから数ある芸術の中からマジックを選んだという時点で、あなたは尊敬される可能性があるのです。どんなマジックでも、たったひとつだけでも、マジックができるようになったら、それは困難を乗り越えたことを意味し、尊敬されうるのです。

とはいえ、実際にはマジックの道具を買っても使いこなせなかった、という方はたくさんいることでしょう。私自身も教室や個人レッスンを行っていますので、使えていない道具などを持ってきていただければ使い方の指南やアドバイスができます。ご興味がありましたら以下のリンクを見ていただければ幸いです。

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