器用・不器用問題

プロマジシャンや、技術の高いアマチュアで自分が不器用だと悩んでいる人はいないと思いますが、初心者は器用・不器用を気にする人がすごく多いです。そこで先人の教えを交えながら私の意見を書いていきます。

石田天海とアスカニオの言葉

日本が誇るスライハンド(手練)マジシャン、石田天海氏は著書の「奇術五十年」の中で、「不器用なら不器用なほど良い」と書いています。詳細は読んでいただくとして、器用な人はすぐにできた気になってあまり練習しない、不器用な人の方が納得いくまでたくさん練習するから、といった理由のようです。

ところが、遠く離れたスペインの巨匠アスカニオは、やはりその著書「アスカニオのマジック」で、マジシャンに必要な3要素のひとつとして「手先の器用さ」を挙げています。ただし、これも先天的な器用さというよりは、単純に素晴らしいマジックを演じるためには高い技術が必要、といった意味で書いています。

このように二人の偉大なマジシャンが一見真逆のようなことを主張しているように、マジックの器用・不器用問題は捉え方次第の部分があるようです。

私の観察

私の指導経験でも、器用か不器用か、というのは本人の捉え方次第だと感じています。というのも、実際には元々の器用さにはそれほど差がなく、自分で自分のことを「器用だと思っている」か、「不器用だと思っている」かが大きいと思います。

先に結論を書いておきますと、私のおすすめは「自分は器用だ」と思い込むことです(笑)。

自称不器用な人は2、3回やって上手くいかないだけで、「やっぱり自分は不器用だからできないんだ」と思います。自称器用な人は同じように2、3回やって上手くいかなくても「このマジックはそれなりに難しいんだな」と思う位です。

さらに10回やっても上手くいかないとき、自称器用な人は「まだできないけど何となくわかってきたぞ」と思い、家で30分練習してようやくできるようになると、「自分はたったの30分でできるようになった。やっぱり器用なんだ」といった具合になります。

ちょっと私の勝手な想像も混じりましたが(笑)、私が見たところ器用な人というのは、「少なくとも自分は人並みには器用である」という自信があること、失敗や困難に対してポジティブであること、そして単純に根気があることなどが特徴のような気がします。やはり先天的な器用さはそれほど重要でないと思います。

ちなみに、この記事の冒頭で「プロマジシャンは不器用で悩んでいる人はいない」と書きましたが、それは「全員器用だから悩んでいない」のではなく、「不器用でも大丈夫だから悩んでいない」という意味です。

そもそもなぜ私がこんなことをくどくどと書くのかというと、それだけ「自分は不器用だ」と思い込んでいる人が多いからです。むしろ「自分にとって難しいのだから、他の人にとっても難しいだろうな」という感覚を持った方が有益だと思います。この考え方はマジック以外にも結構使えると思うのですがいかがでしょうか?

まとめ

  • まずは「自分は人並みには器用だ」と思い込もう
  • 「ちょっと練習してできない」よりも「まだちょっとしか練習してない」と考えよう
  • そのうち、器用・不器用は気にならなくなってきます(笑)

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