「お金」と「女性」の話(カードマジック「フォロー・ザ・マネー」のセリフ)

今回はマジシャンが女性に対して、いや、あらゆる人に対してどのように配慮するかを考えます。例として「フォロー・ザ・マネー」というカードマジックを題材にします。

まず、フォロー・ザ・マネーの概要を説明します。マジシャンはトランプをよくシャッフルし、4枚のお札(本物でもおもちゃでもよい)を見せます。テーブルにトランプを配っていき、お客様が「ストップ」を言う度にお札を置いていきます。最終的に4枚のお札の上に乗っているカード(つまりお客様がストップをかけたところのカード)を見てみると、すべてA(エース)です!

これは非常に優れたトリックで、よくウケるマジックです。私は「ザ・マジック」という雑誌の62、64号で知りました。

さて、お札を使う演出ですが、オーソドックスなのは、

①エースの力でお札を引き寄せました

というものと、

②お金の力でエースを引き寄せました

というものです。どちらも話として分かりやすく、誰にでもおすすめできる演出です。しかし、ちょっと無難で面白みに欠けるというか、無味乾燥な感じがします。そこでちょっとひねった演出を考えてみましょう。

4枚のエースを使う代わりに4枚のクイーンを使うのです。クイーンはトランプの中で唯一女性をモチーフとしており、マジックにおいてもよく女性の象徴として使われることがあります。

ここで悪い演出をひとつ挙げてみましょう。それは、

③女性はお金が好きなので、お札の上にはクイーンがあります

というものです。これは非常に危険でおすすめできない演出です。なぜなら、実際にはお金が好きな女性もいれば、それほどお金に執着しない女性もいるのに、「女性はお金が好きだ」と決めつけてしまっているからです。

実を言うとずっと昔、私は大して悪気もなく、女性客に対して何度かこの演出を使ってしまったことがあります。私はそこでたいそう怒られたか、というとそんなことはなく、むしろ想定外にウケました。それどころか「女性はお金が好きだ」ということに対し、「うん、その通り!」と深く肯定してくれる女性もいました。

しかし、今は私はこの演出は使いません。いくらウケるからといって他人の価値観を決めつけるセリフを言いたくないですし、いつか怒られるかもしれないからです。

そこで、同じくクイーンを使うにしても、次のような演出はどうでしょうか?

④女王様は豪華なドレスやアクセサリーを買うのにお金が必要なのです

これならあくまで、この女王様たちがお金が好きだと言っているだけで、すべての女性について言っているわけではありません。かといってエースを使う場合に比べて人間味もあります。また、当然ですがエースやクイーンの代わりにキングを使うこともできます。キングならどんな演出が面白いでしょうか?考えてみてください。

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