子供とマジック

今日は子供の日ということで、私が子供にマジックを見せるとき、または教えるときにどんなことを考えているか、ということを書いてみます。

「知っている」と「できる」は違う

子供は基本的に知ったかぶりをします。それは小さい頃から何かを知っていると大人に褒められるからだと思います。しかし、それではいけません。もちろん、「知る」というのは物事の第一歩ですが、知るだけでは何の役にも立ちません。

例えば「料理の仕方を知っている(でも料理できない)」「計算の仕方を知っている(でも計算できない)」「ピアノの弾き方を知っている(でもピアノを弾いたことがない)」というのでは意味がありません。

「知る」ことよりも「できる」ようになるには多大な努力が必要です。私は自分と関わる子供たちがこのことを理解するのを促そうと思っています。

子供の偏差値(IQ?)を「1」上げたい

世の中のエンターテイメントは偏差値30の人に合わせて作られている、という面があります。なぜなら、偏差値70の人に合わせたら、この世の数パーセントの人しか楽しめず、偏差値50に合わせたとしても約半分の人しか楽しめません。その点、偏差値30に合わせたら大多数の人が楽しめるからです。

これが、成長を諦めた大人に向けたエンターテイメントならそれも致し方ないことなのかもしれません。しかし、相手が子供なら私はそれで良いとは思いません。もちろんマジックは学校や塾のような純然たる教育の場ではありませんから、子供たちを大幅に成長させるのは難しいかもしれません。

しかし、私はすべての子供たちに賢くなってほしいと願っています。だから「楽しい」「面白い」というだけでなく、何らかの形で子供たちの知性を磨く手助けをしたいと思っています。ショーや教室の後に、今までよりもほんの少しだけ賢くなっていてほしいのです。偏差値30でも全然構わないのですが、帰るころには31にしてあげたいのです。

これから広い世界へ出ていく

これから広い世界へ出ていく子供たちに、何かの役に立つマジックを送りたいと思っています。人前に立つ勇気が必要だったり、ほんのちょっとした雑談のネタになったり、本当にマジックが好きな子には絶対に覚えておいて損はないような名作のマジックを教えたりと、その時々によって変わりますが、工夫しているつもりです。

もちろん子供だけでなく、大人も含め、マジックを通じて人生を豊かにすることができたら幸いです。

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