奇術の登竜門 グランドマジックショーin東京 観覧

最近、他のマジシャンの演技をしっかり見ようと思い、「三枚看板」に続いて「奇術の登竜門in東京」も見てきましたので、その感想です。

奇術の登竜門はその名の通り次世代育成の意味合いの強いマジックショーなのですが、今回はベテランが多く、かなりの豪華出演者でした。順番に感想を書いておきたいと思います。

今回もっとも素晴らしかったのが、ケン正木さんのオープニングアクトでした。幕が開くとケンさんがタキシードにシルクハットとステッキを持って立っており、鳩やカード、シルクなどの王道のマジックを演じられました。さすが会長という演技でした。

ケンさんはオープニング以外もMCと幕間のマジックも担当しており、忙しそうでした(笑)。

2番目の北見翼さんは三枚看板のときとほぼ同じ手順でした。洋装で口上をつけた胡蝶の舞も演じていました。私は洋装で和妻を演じることに対して賛成派で、日本は長らく和洋折衷の文化が浸透してきましたので全然違和感はないと思います。また、やはり昔ながらの口上をつけることで胡蝶の舞はストーリーが格段にわかりやすくなるため、その点も良かったと思います。

胡蝶の舞はしゃべらずに演じることもできるのですが、ストーリーまで理解させるには観客にかなりの勘の良さが要求されます。例えば無言で演じると蝶が途中で2羽になるとき、ほとんどの人は「あ、2羽になった」と思うだけだと思います。ここで「雄蝶と雌蝶でございます」と言うことで誰もが「ああ、オスとメスの蝶なんだ」とわかります。また、最後に紙吹雪が出たときも、千羽の子供の蝶になったと説明しなければ、ほとんどの人が「わあ、紙吹雪が出てきた」と思うだけなのではないかと思います。そんなわけで個人的には日本国内で演じる分には、口上をつけた方がわかりやすいと思っています。

3番目はルーフ広宣さんでした。ルーフさんは昔からサイキック系のマジックに統一しており、これはなかなかできないことだと思います。というのもサイキックやいわゆるメンタル系のマジックだけに限定してしまうと、道具立てが地味になったり、変化に乏しくなったりしがちだからです。

今回のルーフさんのマジックで印象的だったのはルービックキューブの一致マジックで、ルービックキューブのマジック自体は数多くあるのですが、私は初めて見るパターンのものでした。一応私もマジシャンの端くれですので、仕組みはわかりましたが、もしこれがルーフさんのオリジナルアイディアだとしたらすごい発明だと思いました(私が知らなかっただけで他の方の発明の可能性もあります)。

4番目はジュニア渚さんで、イリュージョンやリング、ドリームバッグなどを演じられました。ジュニアさんはリンキングリングが本当にお上手で、日本でも有数の巧さなのではないかと思います。一度も観客にリングを渡さないので、通常は改めが弱くなるのですが、それでも見応えのある演技でした。

また、他のイリュージョンなどの演技も、動きが非常になめらかで見ていて本当に面白いステージでした。

最後はメインの上口龍生さんでした。内容的には和服を着ての創作和妻のようなイメージでした。最後は故・布目貫一さんの浪曲奇術の復刻の演技でした。

布目貫一さんは元々は浪曲師で、それをマジックと組み合わせた浪曲奇術を創り出しました。詳しいことは知りませんが、浪曲という時代の流れに衰退していきそうなジャンルにおいて、マジックを組み合わせることで子供でも誰でも親しみやすくしよう、というのは自然な流れであった気がします。

令和の現代において、浪曲を普段耳にすることはなくなってしまいましたが、今後マジックを盛り上げていくにはどんな組み合わせが良いのでしょうか?

最近立て続けに2つのマジック公演を見てきたわけですが、やはり久しぶりに大変楽しい時間でした。そんな中で私が感じたのは、「この人を見ていたいな」と思わせるマジシャンが最良で、自分もそんなマジシャンになりたいということでした。

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